【第110回薬剤師国家試験】問36 NK₁受容体遮断による遅発性嘔吐抑制薬 解説

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第111回 問36
第111回 問36
必須問題|薬理
NK₁受容体遮断による遅発性嘔吐抑制薬
問36(必須)
タキキニン NK1受容体を遮断して、抗悪性腫瘍薬による遅発性嘔吐を抑制するのはどれか。1つ選べ。
1
オンダンセトロン
2
ドンペリドン
3
アプレピタント
4
ジメンヒドリナート
5
メトクロプラミド
正解です!
解説で制吐薬の作用機序の違いを確認しましょう。
×
不正解です。正解は 3 です。
解説で制吐薬の作用機序の違いを確認しましょう。
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本問のキーワードは「タキキニン NK₁受容体遮断」「遅発性嘔吐」の2点です。この両方を満たすのはNK₁受容体拮抗薬(アプレピタント)だけです。

抗がん剤による嘔吐の2フェーズと制吐薬
急性嘔吐(投与後〜24時間):セロトニン(5-HT₃)が主役
 → 5-HT₃拮抗薬(オンダンセトロン等)が有効

遅発性嘔吐(24〜120時間):サブスタンスP(SP)がNK₁受容体を刺激が主役
 → NK₁拮抗薬(アプレピタント)が有効
各選択肢の作用機序
× 1 オンダンセトロン:5-HT₃受容体拮抗薬。急性嘔吐に有効。NK₁遮断作用なし
× 2 ドンペリドン:D₂受容体拮抗薬(末梢性)。消化管運動促進・嘔吐反射抑制
◯ 3 アプレピタント:NK₁受容体拮抗薬。サブスタンスPの作用をブロック → 遅発性嘔吐を抑制
× 4 ジメンヒドリナート:H₁受容体拮抗薬(抗ヒスタミン薬)。動揺病・めまいに伴う嘔吐
× 5 メトクロプラミド:D₂受容体拮抗薬(中枢・末梢性)。消化管運動促進・制吐
薬剤名 作用標的 適応・特徴
オンダンセトロン 5-HT₃拮抗 抗がん剤による急性嘔吐の第一選択
アプレピタント ★ NK₁拮抗 抗がん剤による遅発性嘔吐に有効。5-HT₃拮抗薬・デキサメタゾンと3剤併用が標準
ドンペリドン D₂拮抗(末梢) 消化管運動促進。BBBを通過しにくい
メトクロプラミド D₂拮抗(中枢・末梢) BBBを通過。錐体外路症状(パーキンソン様)に注意
ジメンヒドリナート H₁拮抗 動揺病・乗り物酔い。前庭神経系を抑制
引っかけポイント:
選択肢1(オンダンセトロン)も抗がん剤の嘔吐に使うが、標的は5-HT₃。急性嘔吐が主な適応
「遅発性」=NK₁(サブスタンスP)=アプレピタントという対応を確実に覚える
・アプレピタントの標準制吐レジメン:NK₁拮抗薬+5-HT₃拮抗薬+デキサメタゾンの3剤併用
臨床メモ
あおい
薬剤師 あおい

抗がん剤治療を受ける患者さんにとって、嘔吐(悪心・嘔吐=CINV)は治療継続の妨げになる大きな副作用です。現在の標準レジメンではアプレピタント(イメンド®)・オンダンセトロン・デキサメタゾンの3剤を組み合わせてCINVを強力に予防します。

アプレピタントはCYP3A4を阻害するため、同じくCYP3A4で代謝されるデキサメタゾンとの併用ではデキサメタゾンの用量を通常の約半量に減らす必要があります。服薬指導では「吐き気止めの薬が複数あるのは、吐き気を引き起こす仕組みが複数あるから」と説明すると患者さんに伝わりやすいです。

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