第111回
問42
必須問題|薬剤
経口投与された薬物の吸収経路
問42(必須)
経口投与された薬物が吸収される経路として、正しいのはどれか。1つ選べ。
1
小腸 → リンパ管 → 大腸 → 全身循環系
—
2
小腸 → リンパ管 → 肝臓 → 全身循環系
—
3
小腸 → 門脈 → 大腸 → 全身循環系
—
4
小腸 → 門脈 → 肝臓 → 全身循環系
—
5
小腸 → 胆管 → 大腸 → 全身循環系
—
6
小腸 → 胆管 → 肝臓 → 全身循環系
—
正解です!
解説で薬物の吸収経路と初回通過効果を確認しましょう。
不正解です。正解は 4 です。
解説で薬物の吸収経路と初回通過効果を確認しましょう。
解説を見る▼
経口投与された薬物(水溶性小分子)の主な吸収経路は小腸 → 門脈 → 肝臓 → 全身循環系です。肝臓を通過する際に代謝を受けることを肝初回通過効果(first-pass effect)といいます。
2つの吸収経路を整理する
① 門脈経路(主経路):小腸上皮から吸収 → 門脈 → 肝臓(初回通過効果を受ける)→ 肝静脈 → 下大静脈 → 全身循環
対象:水溶性薬物・ほとんどの低分子薬物
② リンパ管経路(副経路):小腸上皮(乳び槽)から吸収 → リンパ管 → 胸管 → 左鎖骨下静脈 → 全身循環(肝臓を経由しない)
対象:高脂溶性薬物・脂質(キロミクロン)・高分子物質
① 門脈経路(主経路):小腸上皮から吸収 → 門脈 → 肝臓(初回通過効果を受ける)→ 肝静脈 → 下大静脈 → 全身循環
対象:水溶性薬物・ほとんどの低分子薬物
② リンパ管経路(副経路):小腸上皮(乳び槽)から吸収 → リンパ管 → 胸管 → 左鎖骨下静脈 → 全身循環(肝臓を経由しない)
対象:高脂溶性薬物・脂質(キロミクロン)・高分子物質
各選択肢の解説
× 1 小腸→リンパ管→大腸→全身循環:リンパ管は大腸を経由しない。胸管→左鎖骨下静脈が正しい
× 2 小腸→リンパ管→肝臓→全身循環:リンパ管経路は肝臓を経由しないのが特徴(初回通過効果を受けない)
× 3 小腸→門脈→大腸→全身循環:門脈は大腸ではなく肝臓に流入する
◯ 4 小腸→門脈→肝臓→全身循環:正しい経路。大多数の経口薬の吸収経路
× 5 小腸→胆管→大腸→全身循環:胆管は肝臓から十二指腸への胆汁の分泌路。薬物吸収経路ではない
× 6 小腸→胆管→肝臓→全身循環:胆管は吸収経路ではない。方向も逆(肝臓→十二指腸)
× 1 小腸→リンパ管→大腸→全身循環:リンパ管は大腸を経由しない。胸管→左鎖骨下静脈が正しい
× 2 小腸→リンパ管→肝臓→全身循環:リンパ管経路は肝臓を経由しないのが特徴(初回通過効果を受けない)
× 3 小腸→門脈→大腸→全身循環:門脈は大腸ではなく肝臓に流入する
◯ 4 小腸→門脈→肝臓→全身循環:正しい経路。大多数の経口薬の吸収経路
× 5 小腸→胆管→大腸→全身循環:胆管は肝臓から十二指腸への胆汁の分泌路。薬物吸収経路ではない
× 6 小腸→胆管→肝臓→全身循環:胆管は吸収経路ではない。方向も逆(肝臓→十二指腸)
| 経路 | ルート | 特徴・対象薬物 |
| 門脈経路 ★ | 小腸→門脈→肝臓→全身 | 主経路。初回通過効果あり。水溶性・低分子薬物 |
| リンパ管経路 | 小腸→リンパ管→胸管→左鎖骨下静脈→全身 | 初回通過効果を受けない。高脂溶性薬物・キロミクロン・高分子 |
引っかけポイント:
・選択肢2(リンパ管→肝臓):リンパ管経路の利点は「肝臓を通らない=初回通過効果を避けられる」こと。肝臓を経由したら意味がない
・選択肢3(門脈→大腸):門脈は消化管から肝臓への血管。「門(ゲート)→肝臓」と覚える
・胆管は吸収経路ではない。肝臓→胆嚢→十二指腸への胆汁分泌路(方向が逆)
・選択肢2(リンパ管→肝臓):リンパ管経路の利点は「肝臓を通らない=初回通過効果を避けられる」こと。肝臓を経由したら意味がない
・選択肢3(門脈→大腸):門脈は消化管から肝臓への血管。「門(ゲート)→肝臓」と覚える
・胆管は吸収経路ではない。肝臓→胆嚢→十二指腸への胆汁分泌路(方向が逆)
臨床メモ▼


薬剤師 あおい
初回通過効果が大きい薬(ニトログリセリン・リドカイン・プロプラノロール等)は経口投与では効果が出にくく、舌下・静注・貼付剤など門脈を迂回する投与経路が選ばれます。
一方、リンパ管経路を利用する高脂溶性薬物(シクロスポリン・プロブコール等)は食後に吸収が増大します。これはリンパ管経路では食事由来のキロミクロン(脂質)と一緒に取り込まれるためです。「食後に吸収が増える薬はなぜ?」という問いへの答えにもなります。










