第110回
問6
理論問題|化学
アルドヘキソース A のアノマー
【設問】
以下のアルドヘキソース A のアノマーはどれか。1つ選べ。
A
問6(化学)
—


1
—


2
—


3
—


4
—


5
正解です!
C1のOH配置だけが異なるアノマーを正しく見分けられました。
不正解です。正解は 4 です。
解説でアノマー・エピマー・エナンチオマーの違いを確認しましょう。
解説を見る▼
【問6】アノマーの見分け方
アノマー(anomer)とは、環状糖においてアノメリック炭素(C1、ヘミアセタール炭素)の OH 基の配置(α/β)だけが異なる一対の立体異性体である。C1 以外のすべての不斉炭素の配置は A と完全に同一でなければならない。
化合物 A(ハース投影式)の各炭素の OH 配置を「上・下」で読み取ると以下のようになる。
| 炭素 | 化合物 A の配置 | アノマーに必要な配置 |
|---|---|---|
| C1(アノメリック炭素) | OH が上向き | 下向き(逆) |
| C2 | OH が下向き | 下向き(同じ) |
| C3 | OH が上向き | 上向き(同じ) |
| C4 | OH が下向き | 下向き(同じ) |
| C5(CH₂OH) | 上向き | 上向き(同じ) |
各選択肢の C1〜C5 を検証すると、選択肢4のみが C1「下向き(逆)」・C2〜C5「下・上・下・上(A と全く同じ)」となっており、これがアノマー(β体に対するα体、またはその逆)の関係である。したがって正解は 4 である。
・選択肢1(エナンチオマー):CH₂OH と環内酸素(O)の左右の位置関係が A と反転しており、すべての炭素の「上・下」配置が A と完全に真逆(C1=下・C2=上・C3=下・C4=下・C5=下)になっている。これはD体(化合物A)に対するL体(鏡像異性体:エナンチオマー)の関係であり、アノマーではない。
・選択肢2:C1 以外の複数の炭素で OH 配置が A と異なる。エピマーまたは別の立体異性体。
・選択肢3:C2 の OH 配置が A と異なる(C2-エピマーに相当)。C1 以外が異なるためアノマーではない。
・選択肢5:環の向き(CH₂OH の位置)が A と異なり、かつ複数の置換基配置が変化している。アノマーではない。
・選択肢2:C1 以外の複数の炭素で OH 配置が A と異なる。エピマーまたは別の立体異性体。
・選択肢3:C2 の OH 配置が A と異なる(C2-エピマーに相当)。C1 以外が異なるためアノマーではない。
・選択肢5:環の向き(CH₂OH の位置)が A と異なり、かつ複数の置換基配置が変化している。アノマーではない。
臨床メモ▼


薬剤師 あおい
糖の立体異性体の用語は国試頻出です。整理しておきましょう。
| 用語 | 定義 | 代表例 |
|---|---|---|
| アノマー | C1(アノメリック炭素)のみ配置が異なる | α-グルコース ⇄ β-グルコース |
| エピマー | C1 以外の1つの不斉炭素のみ配置が異なる | グルコース と ガラクトース(C4-エピマー) |
| エナンチオマー | すべての不斉炭素の配置が逆(鏡像関係) | D-グルコース と L-グルコース |
| ジアステレオマー | 一部の不斉炭素の配置が異なる(アノマー・エピマーを含む上位概念) | グルコース と マンノース など |
ハース投影式の問題を解くときは、まず「環内酸素(O)が右上・CH₂OH が左上(上向き)」という基本骨格(D型糖の標準的な向き)がキープされているかどうかを最初に確認するのが鉄則です。選択肢1・5のように骨格自体がひっくり返っているものはその時点でアノマー候補から外せるので、実質2・3・4の3択に絞り込めます。あとはC2〜C5の「上・下」がAと全部一致しているかを確認するだけですよ!








