【第111回薬剤師国家試験】問122 悪性新生物の年齢調整死亡率の年次推移 解説

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第111回 問122
第111回 問122
理論問題|衛生
悪性新生物の年齢調整死亡率の年次推移
問122 図は、我が国における男女の部位別にみた悪性新生物の年齢調整死亡率(基準は平成27(2015)年モデル人口)の年次推移を表したものである。A〜Fは、膵臓、大腸(結腸、直腸S状結腸移行部及び直腸)、肺(気管及び気管支を含む)、前立腺、乳房又は子宮のいずれかの悪性新生物に対応する。これらの悪性新生物に関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ
悪性新生物の年齢調整死亡率グラフ(男女)
1
Aの年齢調整死亡率が1990年頃まで増加していた主な理由として、運動不足が考えられる。
2
B並びにEの年齢調整死亡率が増加した主な理由として、食事内容の欧米化が考えられる。
3
Cは膵臓がんであり、リスク要因として糖尿病が挙げられる。
4
Dは前立腺がんであり、リスク要因として食物繊維の過剰摂取が挙げられる。
5
Fの年齢調整死亡率が2005年頃まで低下していた主な理由として、ワクチンの定期接種が考えられる。
正解です!
B(大腸)・E(乳房)は食事の欧米化が主因。C(膵臓がん)のリスク因子に糖尿病が含まれます。
×
不正解です。正解は 2 と 3 です。
解説でグラフの各部位の同定と特徴を確認しましょう。
解説を見る
グラフの各記号の同定
男性グラフ
A:1990年頃にピークを迎えて以降急激に低下 → 肺がん(喫煙との関連・禁煙の普及で低下)
B:緩やかに増加傾向が続く → 大腸がん(食事の欧米化)
C:緩やかに増加傾向 → 膵臓がん
D:増加傾向が続く → 前立腺がん(PSA検査普及・欧米化)

女性グラフ
A:1990年頃にピークを迎えて以降低下 → 肺がん(男性Aと同様の挙動)
B:緩やかに増加傾向 → 大腸がん
C:低い値で推移 → 膵臓がん
E:増加傾向 → 乳がん(食事の欧米化・初産年齢上昇)
F:2005年頃まで低下 → 子宮がん(子宮頸がん)

【各選択肢の解説】

選択肢記述判定・理由
1 Aの死亡率が1990年頃まで増加した主な理由は運動不足 × 男性のAは肺がん。1990年頃まで増加した主な理由は喫煙習慣の普及(戦後の喫煙率上昇)。その後の低下は禁煙運動の普及・喫煙率低下による。運動不足は肺がんの主要因ではない
2 ★ B並びにEの死亡率増加の主な理由は食事内容の欧米化 ◯ 男性のBは大腸がん、女性のEは乳がん。どちらも食事の欧米化(高脂肪・高カロリー食・動物性タンパク増加)との関連が指摘されている。乳がんはさらに初産年齢の上昇・授乳期間の短縮・肥満なども関与する
3 ★ Cは膵臓がんであり、リスク要因として糖尿病が挙げられる ◯ 男女ともCは膵臓がん。膵臓がんのリスク因子には糖尿病・慢性膵炎・喫煙・肥満・飲酒・家族歴などが挙げられる。特に糖尿病との双方向の関連(糖尿病が膵臓がんのリスクを高め、膵臓がんが糖尿病を引き起こす)が重要
4 Dは前立腺がんであり、リスク要因として食物繊維の過剰摂取が挙げられる × 男性のDは前立腺がんで正しいが、リスク因子が誤り。前立腺がんのリスク因子は高齢・高脂肪食(欧米化)・家族歴・男性ホルモン(アンドロゲン)など。食物繊維の過剰摂取はリスク因子ではなく、むしろ食物繊維の摂取は大腸がんリスク低減と関連する
5 Fの死亡率が2005年頃まで低下した主な理由はワクチンの定期接種 × 女性のFは子宮がん(子宮頸がん)。2005年頃まで低下した主な理由は検診(子宮頸がん検診)の普及。HPVワクチンの定期接種が日本で開始されたのは2013年(その後2022年に積極的勧奨再開)であり、2005年以前の低下の理由としてワクチンは当てはまらない
⚠️ 引っかけポイント:
選択肢1:肺がん増加の主因は「喫煙」。運動不足ではない
選択肢4:前立腺がんのリスク因子は「高脂肪食・高齢・家族歴・アンドロゲン」。食物繊維過剰摂取はリスク因子ではない
選択肢5:HPVワクチン定期接種は2013年開始。2005年以前の低下は検診の普及によるもの
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がん(悪性新生物)年齢調整死亡率の順番・最強の覚え方【衛生】|薬剤師の気まぐれノート
臨床メモ
あおい
薬剤師 あおい

子宮頸がん(選択肢5)はHPV(ヒトパピローマウイルス)感染が主因。HPVワクチン(2価・4価・9価)は子宮頸がんの予防に有効で、2022年に積極的勧奨が再開されました。薬剤師としてワクチンの有効性・副反応・接種スケジュールを正しく説明できることが重要です。

膵臓がん(選択肢3)は5年生存率が非常に低い(約10%)難治性がんです。早期発見が困難なため、糖尿病患者で急に血糖コントロールが悪化した場合などは膵臓がんのサインである可能性もあり、注意が必要です。CA19-9はスクリーニングマーカーとして用いられています。

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