第111回
問47
💊 必須問題|薬剤
TDM対象薬のうち臨床用量で非線形薬物動態を示す薬物
問題文
TDMの実施が望ましい薬物のうち、臨床用量で体内動態が非線形性を示す薬物はどれか。1つ選べ。
1
カルバマゼピン
—
2
ジゴキシン
—
3
バンコマイシン
—
4
フェニトイン
—
5
フェノバルビタール
—
正解です!
素晴らしい!下の解説も確認してみましょう。
不正解です。正解は 4(フェニトイン) です。
下の解説でしっかり確認しましょう!
解説を見る
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フェニトインは臨床用量で代謝酵素(CYP2C9・CYP2C19)が飽和するMichaelis-Menten型(非線形)の薬物動態を示します。低用量では線形(1次)動態に見えますが、臨床用量に近づくと酵素が飽和し、わずかな増量でも血中濃度が急激に上昇します。そのため血中濃度の予測が難しく、TDMが特に重要です。
🔑 非線形(Michaelis-Menten型)動態の特徴
・投与量を少し増やすと血中濃度が不均衡に大きく上昇する
・半減期が血中濃度によって変化する(一定ではない)
・定常状態到達時間の予測が難しい
・フェニトインの有効血中濃度域は10〜20 μg/mLと狭く、わずかな用量変化で中毒(眼振・運動失調・意識障害)が出現しうる
・投与量を少し増やすと血中濃度が不均衡に大きく上昇する
・半減期が血中濃度によって変化する(一定ではない)
・定常状態到達時間の予測が難しい
・フェニトインの有効血中濃度域は10〜20 μg/mLと狭く、わずかな用量変化で中毒(眼振・運動失調・意識障害)が出現しうる
| 選択肢 | 薬剤名 | 動態 | TDMの主な目的 |
|---|---|---|---|
| 1 | カルバマゼピン | 線形(1次)動態 ※自己誘導あり(投与初期に半減期が短縮) |
有効域確認・相互作用管理 |
| 2 | ジゴキシン | 線形(1次)動態 | 安全域が極めて狭い・中毒回避 |
| 3 | バンコマイシン | 線形(1次)動態 | 腎毒性回避・有効性確保(AUC/MIC管理) |
| 4 ★ | フェニトイン | 非線形(Michaelis-Menten型)動態 | 血中濃度の急激な変動を防ぐ・中毒回避 |
| 5 | フェノバルビタール | 線形(1次)動態 | 有効域確認・鎮静副作用管理 |
⚠️ 引っかけポイント:
・カルバマゼピン(選択肢1)は自己誘導(自身がCYPを誘導して自分の代謝を促進)という特殊な性質があるが、動態自体は線形
・ジゴキシン(選択肢2)は治療域が非常に狭く中毒になりやすいが、動態は線形
・バンコマイシン(選択肢3)は腎機能による大きな個人差があるが、動態は線形
・フェノバルビタール(選択肢5)は半減期が長く蓄積しやすいが、動態は線形
・カルバマゼピン(選択肢1)は自己誘導(自身がCYPを誘導して自分の代謝を促進)という特殊な性質があるが、動態自体は線形
・ジゴキシン(選択肢2)は治療域が非常に狭く中毒になりやすいが、動態は線形
・バンコマイシン(選択肢3)は腎機能による大きな個人差があるが、動態は線形
・フェノバルビタール(選択肢5)は半減期が長く蓄積しやすいが、動態は線形
臨床メモ
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💊 薬剤師 あおい
フェニトイン(アレビアチン®・ヒダントール®)は非線形動態のため、例えば300mgで血中濃度が10 μg/mLだからといって400mgにすると20 μg/mLになるとは限りません。わずかな増量で血中濃度が急上昇し、眼振・複視・運動失調・嗜眠などの中毒症状が現れることがあります。患者さんから「ふらふらする」「目が揺れる」という訴えがあったら、フェニトイン中毒を念頭において処方医へ連絡しましょう。
また、フェニトインは多数の薬物と相互作用があります。ワルファリン・カルバマゼピン・バルプロ酸などとの併用では血中濃度が変動しやすいため、複数の薬が処方されている患者さんでは定期的なTDMと注意深いフォローが必要です。












