γ-グルタミルトランスフェラーゼ(γ-GT)ってどんな検査値なんだろう?
・臨床検査値のことを学びたい
・γ-グルタミルトランスフェラーゼ(γ-GT)について知りたい
この記事はこういった悩みをもった方向けです。
こんにちは。薬剤師のあおい(@yaku_medical)です!
この記事では、臨床検査値のアルカリホスファターゼ(ALP)についてまとめていきます!
【臨床検査値】γ-グルタミルトランスフェラーゼ(γ-GT)ってどんな検査値?
γ-グルタミルトランスフェラーゼ(γ-GT)とは?
γ-グルタミルトランスフェラーゼ(γ-GT)は、腎臓に最も多く存在する酵素で、血中γ-GTの大部分は、肝細胞の毛細胆管膜や胆管上皮由来であるため、肝胆道系疾患のスクリーニング検査として有用です。
※腎障害時には、尿中に排泄されるため、血清γ-GTの上昇は認められません。
【γ-GTの基準値】
男性:13~64(U/L)
女性:9~32(U/L)
※U(ユニット)とは,酵素活性量の単位で、至適条件で酵素が1分間に1μmolの基質を変換することができる酵素の量が「1U」と定義されています。
γ-GTが増加すると?
γ-GT値(U/L) | 原因 |
---|---|
40以下 | 妊娠、経口避妊薬の服用 など |
男性:13~64(U/L) 女性:9~32(U/L) | 基準範囲 |
40~100 | 急性・慢性持続性肝炎、肝硬変、脂肪肝、糖尿病 など |
100~400 | 慢性活動性肝炎、肝細胞がん、胆汁うっ滞、アルコール性肝障害 など |
500以上 | アルコール性肝障害、胆汁うっ滞、転移性肝がん、膵がん、総胆管結石 など |
γ-GTと病例
他の肝胆道系の検査値であるALPやAST、ALTなどが正常でγ-GTのみが上昇している場合
→「アルコール」や「薬物」による異常が考えられる
γ-GTに並行してALPも上昇している場合
→肝胆道系疾患による「胆汁うっ滞」や「閉塞性黄疸」の可能性が考えられる
ASTとALTの上昇に比較してγ-GTの上昇が軽度な場合
→肝細胞障害がメインの「肝炎」や「脂肪肝」などが考えられる
Point
①γ-GTは、アルコールの飲みすぎや薬の服用などの影響で異常値を示すことがある
②γ-GTの上昇だけで原因を特定するのは困難
ASTやALT、ALPなど他の検査値と組み合わせて総合的に見る必要があります。
▼AST・ALTについてはこちらでまとめています。
▼ALPについてはこちらでまとめています。
最後に
今回は、臨床検査値のγ-グルタミルトランスフェラーゼ(γ-GT)についてまとめていきました。
他の臨床検査値について知りたい方はこちらで紹介しています♪
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