【第111回薬剤師国家試験】問230-231 特定保健用食品(トクホ)の知識と骨密度低下に適した関与成分 解説

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第111回 問230-231
第111回 問230-231
実践問題|実務(230)・衛生(231)
特定保健用食品(トクホ)の知識と骨密度低下に適した関与成分
【症例】問230-231 共通
50歳女性。これまでに薬の副作用、アレルギー歴なし。肩こり、ほてり、発汗、イライラを感じている。食事のバランスに気をつけているが、健康診断で骨密度が低めであることを指摘された。骨の健康が気になり、特定保健用食品を利用したいと思い、薬局を訪れた。
問230(実務)
この女性に特定保健用食品を勧めるにあたり、薬剤師が備えておくべき知識として、正しいのはどれか。2つ選べ。
1 特定保健用食品には、健康の維持・増進にかかわる特定の保健の用途に適する食品であることが表示されている。
2 特定保健用食品は、厚生労働省によって認められた食品である。
3 医薬品と同じように、特定保健用食品によって疾病を治療できる。
4 特定保健用食品は、薬局だけで購入することができる。
5 特定保健用食品には、骨粗しょう症になる疾病リスクを低減する可能性を表示したものがある。
正解です!
正答:1・5
×
不正解です
正答:1・5
問231(衛生)
この女性に勧める特定保健用食品の関与成分として適切なのはどれか。2つ選べ。
1 キトサン
2 大豆イソフラボン
3 茶カテキン
4 ビタミンK₂
5 マルチトール
正解です!
正答:2・4
×
不正解です
正答:2・4
解説を見る(問230・231)

■ 問230:特定保健用食品(トクホ)の基礎知識

💡 トクホは消費者庁長官が許可する食品(厚生労働省ではない)。「保健の用途」を表示できるが疾病の治療・予防はうたえない。一般食品であり薬局以外でも購入可能。疾病リスク低減表示(骨粗しょう症・歯の健康)は特別な許可区分として存在する。
選択肢正誤解説
1トクホのラベルには「健康の維持・増進にかかわる特定の保健の用途に適する食品」である旨が表示される。これがトクホの定義そのもの。
2×トクホを許可するのは消費者庁長官。厚生労働省ではない(かつては厚労省が担当していたが消費者庁設置後に移管)。
3×トクホは食品であり、疾病の治療や予防を目的とする表示は禁止されている。医薬品とは明確に異なる。
4×トクホは一般食品であり、スーパーマーケット・コンビニ・ドラッグストア等どこでも購入できる。薬局限定ではない。
5トクホには疾病リスク低減表示という特別区分がある。疾病名を挙げてリスク低減を謳える特別な区分であり、現在認められているのはカルシウム(骨粗しょう症リスク低減)葉酸(神経管閉鎖障害リスク低減)の2種類のみ。キシリトール等の「歯を丈夫にする」用途は通常のトクホ許可であり、疾病リスク低減表示には該当しない。
⚠️ 引っかけポイント(問230):
・選択肢2(厚生労働省が認可):消費者庁長官が許可する。消費者庁設置(2009年)後に移管されたことは頻出。
・選択肢3(疾病を治療できる):食品は疾病の治療・予防表示が禁止。「疾病リスク低減表示」はあるが治療とは別。
・選択肢4(薬局だけで購入):トクホに購入場所の制限はない。機能性表示食品・栄養機能食品も同様。

■ 問231:骨密度低下女性に適したトクホ関与成分

💡 50歳女性・骨密度低下・ほてり・発汗=更年期による骨粗しょう症リスクが高い状態。骨に関わるトクホ関与成分は大豆イソフラボン(エストロゲン様作用→骨密度維持)とビタミンK₂(オステオカルシン活性化→骨形成促進)。
選択肢正誤解説
1
キトサン
×キトサンはトクホ関与成分として「コレステロールが高めの方に適する」用途で認められている。骨への効果はない。
2
大豆イソフラボン
大豆イソフラボンはエストロゲン受容体に結合するフィトエストロゲン。更年期女性の骨密度維持に関与し、「骨の健康が気になる方へ」のトクホ関与成分として認められている。症例の更年期症状(ほてり・発汗)にも合致。
3
茶カテキン
×茶カテキンは「体脂肪が気になる方に適する」用途のトクホ関与成分。体脂肪減少・抗酸化作用が認められているが、骨への効果は適応外。
4
ビタミンK₂
ビタミンK₂(メナキノン)はオステオカルシンをカルボキシル化して活性化し、カルシウムの骨への取り込みを促進する。「骨の健康が気になる方へ」のトクホ関与成分として認められており、骨密度低下に適切。
5
マルチトール
×マルチトールは「虫歯になりにくい食品」(歯の健康)用途のトクホ関与成分。骨への効果はない。
⚠️ 引っかけポイント(問231):
・選択肢1(キトサン):コレステロール低下用途。「キトサン=骨」は誤り。
・選択肢3(茶カテキン):体脂肪低減用途。「カテキン=骨」も誤り。
・選択肢5(マルチトール):歯の健康用途。骨とは無関係。
・📌 骨関連トクホ関与成分の整理:大豆イソフラボン(エストロゲン様・骨密度)、ビタミンK₂(骨形成)、カルシウム(骨粗しょう症リスク低減表示)、ビタミンD(カルシウム吸収促進)。
臨床メモ
あおい
薬剤師 あおい

トクホの関与成分と用途の対応は国試頻出です。代表的なものを整理しておきましょう。

用途 主な関与成分
骨の健康大豆イソフラボン、ビタミンK₂
コレステロール低下キトサン、植物ステロール、大豆たんぱく質
体脂肪低減茶カテキン、難消化性デキストリン
血圧低下ラクトトリペプチド、杜仲葉配糖体
血糖値上昇抑制難消化性デキストリン、小麦アルブミン
歯の健康(虫歯)キシリトール、マルチトール、エリスリトール
整腸ビフィズス菌、オリゴ糖類、乳酸菌
また、大豆イソフラボンを含むトクホは1日の摂取目安量が設定されており、大豆製品を多く食べる方は過剰摂取に注意が必要です。閉経前女性・妊婦への使用には注意が必要な点も覚えておきましょう。

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