コリンエステラーゼ(Che)ってどんな検査値なんだろう?
・臨床検査値のことを学びたい
・コリンエステラーゼ(Che)について知りたい
この記事はこういった悩みをもった方向けです。
こんにちは。薬剤師のあおい(@yaku_medical)です!
この記事では、臨床検査値のコリンエステラーゼ(Che)についてまとめていきます!
【臨床検査値】コリンエステラーゼ(Che)ってどんな検査値?
コリンエステラーゼ(Che)とは?
コリンエステラーゼ(Che)とは?
コリンエステラーゼ(Che)は、肝臓で合成される酵素で、肝臓での合成能が低下すると測定値は低くなります。
そのため、肝臓のタンパク合成能力(予備機能)を反映します。
【Cheの基準値】
男性:240~486(U/L)
女性:201~421(U/L)
※U(ユニット)とは,酵素活性量の単位で、至適条件で酵素が1分間に1μmolの基質を変換することができる酵素の量が「1U」と定義されています。
肝臓ってどんな臓器?
肝臓には、主に3つの働きがあります!
蛋白の合成
ヒトの体はタンパク質から作られています。タンパク質は、食物として体内に入り、アミノ酸に分解され、吸収されます。吸収されたアミノ酸は、肝臓に集められ、私たちのからだに合ったタンパク質に作りなおされています。
栄養の貯蔵
私たちが食事で取った炭水化物は、ブドウ糖(グルコース)として小腸から吸収され、肝臓に運び込まれます。肝臓ではブドウ糖を集めてグリコーゲンの形で貯えられ、必要に応じてグリコーゲンを分解して栄養を送り出します。
Cheと疑われる疾患
コリンエステラーゼ(Che)が低値の場合は、肝臓のタンパク合成能が低下していることを表しています。
肝疾患 | 肝疾患以外 | |
---|---|---|
高値 | 脂肪肝(非アルコール性) | ネフローゼ症候群、糖尿病、甲状腺機能亢進症、本態性家族性高Che血漿 |
低値 | 肝硬変 | 低栄養 |
極低値 | ー | 遺伝性Che欠損症、有機リン中毒 |
Cheが低い場合は…?
肝疾患、栄養不足、有機リン中毒(農薬)などを疑います。
Cheと病例
Cheと一緒にアルブミンも低下している場合
→肝硬変などの「慢性の肝臓病」が考えられる
血清アルブミン(Alb)についてはこちらでまとめています。
肝疾患以外で著しくCheが低下している場合
→農薬などによる「有機リン中毒」などが考えられる
※有機リンがCheを不活性化させるため、ゼロに近いくなるほど低値を示します。
Cheが上昇している場合
→栄養過多、タンパク質や脂質代謝の亢進を示す
※Cheの上昇は、肝臓でのタンパク質合成能の亢進を示す。
【疑われる疾患例】
・過栄養性脂肪肝
・糖尿病
・ネフローゼ症候群
・甲状腺機能亢進症
最後に
今回は、臨床検査値のコリンエステラーゼ(Che)についてまとめていきました。
他の臨床検査値について知りたい方はこちらで紹介しています♪
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