第110回
問125
理論問題|衛生
この20年間の生活習慣病の動向(糖尿病・COPD・心疾患・脳血管疾患・悪性新生物)
問125(理論)
この20年間の生活習慣病に関する記述として正しいのはどれか。2つ選べ。
1
糖尿病の患者数は40歳代より急激に増加するが、そのほとんどは1型糖尿病である。
—
2
慢性閉塞性肺疾患(COPD)による総死亡者数は減少傾向にある。
—
3
心疾患による粗死亡率は増加傾向にある。
—
4
脳血管疾患のうち、粗死亡率が最も高いのは、脳内出血である。
—
5
全悪性新生物死亡のうち、膵臓がんの死亡者数は男女とも増加傾向にある。
—
正解です!
解説で各生活習慣病の最新動向を確認しましょう。
不正解です。正解は 3、5 です。
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生活習慣病の動向を問う問題では、「粗死亡率(人口高齢化の影響を含む実数ベースの死亡率)」と「年齢調整死亡率(高齢化の影響を除いた死亡率)」の違いを意識しながら、各疾患の近年のトレンドを押さえておくことが重要です。
各疾患の近年の動向
・糖尿病:患者数は加齢とともに増加するが、そのうち約90〜95%は2型糖尿病であり、1型糖尿病はごく一部にとどまる
・COPD:高齢化の進行や過去の喫煙率の高さを背景に、総死亡者数は横ばい〜増加傾向にある(年齢調整死亡率は改善傾向でも、粗数・総数としては高齢化の影響で維持〜増加)
・心疾患:日本人の死因第2位。高齢化の進行により、粗死亡率は増加傾向が続いている
・脳血管疾患:かつては脳内出血が多かったが、現在は生活習慣(食生活の欧米化・高血圧管理の進歩等)の変化により、脳梗塞が最も死亡率の高い病型となっている
・膵臓がん:診断技術の進歩や高齢化を背景に、男女とも死亡者数が増加傾向にあり、がん死亡順位でも上昇している
・糖尿病:患者数は加齢とともに増加するが、そのうち約90〜95%は2型糖尿病であり、1型糖尿病はごく一部にとどまる
・COPD:高齢化の進行や過去の喫煙率の高さを背景に、総死亡者数は横ばい〜増加傾向にある(年齢調整死亡率は改善傾向でも、粗数・総数としては高齢化の影響で維持〜増加)
・心疾患:日本人の死因第2位。高齢化の進行により、粗死亡率は増加傾向が続いている
・脳血管疾患:かつては脳内出血が多かったが、現在は生活習慣(食生活の欧米化・高血圧管理の進歩等)の変化により、脳梗塞が最も死亡率の高い病型となっている
・膵臓がん:診断技術の進歩や高齢化を背景に、男女とも死亡者数が増加傾向にあり、がん死亡順位でも上昇している
各選択肢の解説
× 1 糖尿病患者数は加齢とともに急激に増加するが、その大部分(約9割以上)は生活習慣に起因する2型糖尿病であり、1型糖尿病(自己免疫機序によるインスリン分泌不全)ではない
× 2 COPDの総死亡者数は、高齢化の進行等を背景に減少傾向にはない(横ばいないし増加傾向)。「減少傾向」とする記述は誤り
◯ 3 心疾患による粗死亡率は増加傾向にあり、正しい記述である。高齢化の進行に伴い、心疾患による死亡者数・粗死亡率はともに上昇を続けている
× 4 現在の脳血管疾患のうち、粗死亡率が最も高いのは脳梗塞である。かつては脳内出血が多かったが、現在では脳梗塞が主体となっている
◯ 5 膵臓がんの死亡者数は男女とも増加傾向にあり、正しい記述である。早期発見が難しく予後不良ながんとして、近年その死亡者数・順位は上昇を続けている
× 1 糖尿病患者数は加齢とともに急激に増加するが、その大部分(約9割以上)は生活習慣に起因する2型糖尿病であり、1型糖尿病(自己免疫機序によるインスリン分泌不全)ではない
× 2 COPDの総死亡者数は、高齢化の進行等を背景に減少傾向にはない(横ばいないし増加傾向)。「減少傾向」とする記述は誤り
◯ 3 心疾患による粗死亡率は増加傾向にあり、正しい記述である。高齢化の進行に伴い、心疾患による死亡者数・粗死亡率はともに上昇を続けている
× 4 現在の脳血管疾患のうち、粗死亡率が最も高いのは脳梗塞である。かつては脳内出血が多かったが、現在では脳梗塞が主体となっている
◯ 5 膵臓がんの死亡者数は男女とも増加傾向にあり、正しい記述である。早期発見が難しく予後不良ながんとして、近年その死亡者数・順位は上昇を続けている
引っかけポイント:
・選択肢1:「糖尿病=1型」と誤って結びつけないよう注意。臨床で圧倒的多数を占めるのは生活習慣病としての2型糖尿病である
・選択肢2:COPDのように高齢化の影響を強く受ける疾患では、「粗死亡率・総死亡者数」と「年齢調整死亡率」の動向が逆になることがある点に注意する
・選択肢4:「脳血管疾患=脳内出血が多い」という昭和期のイメージのまま覚えていると誤る。現在は脳梗塞が主体である点を最新の知識としてアップデートしておく
・選択肢1:「糖尿病=1型」と誤って結びつけないよう注意。臨床で圧倒的多数を占めるのは生活習慣病としての2型糖尿病である
・選択肢2:COPDのように高齢化の影響を強く受ける疾患では、「粗死亡率・総死亡者数」と「年齢調整死亡率」の動向が逆になることがある点に注意する
・選択肢4:「脳血管疾患=脳内出血が多い」という昭和期のイメージのまま覚えていると誤る。現在は脳梗塞が主体である点を最新の知識としてアップデートしておく
臨床メモ▼


薬剤師 あおい
「粗死亡率」と「年齢調整死亡率」の違いは国試だけでなく実務理解にも役立ちます。粗死亡率は高齢化が進めばそれだけで上昇しますが、年齢調整死亡率は年齢構成の影響を取り除いた指標なので、医療の進歩や予防の効果を評価する際にはこちらの方が適しています。
膵臓がんは自覚症状が出にくく早期発見が難しいがんの代表格です。糖尿病の急激な悪化や原因不明の体重減少、背部痛などが受診のきっかけになることもあるため、薬局窓口でこうした症状の相談を受けた際は、念頭に置いておくとよいでしょう。










