第111回
問51
必須問題|薬剤
上昇・下降曲線のループを示すレオグラムの現象
問51(必須)
構造粘性を有する製剤でみられる、下図のレオグラムを示す現象はどれか。1つ選べ。
1
クリープ
—
2
チキソトロピー
—
3
応力緩和
—
4
ダイラタンシー
—
5
コアセルベーション
—
正解です!
解説でチキソトロピーの特徴を確認しましょう。
不正解です。正解は 2 です。
解説でチキソトロピーの特徴を確認しましょう。
解説を見る▼
図のレオグラムは、せん断応力を増加させたとき(上昇曲線)と減少させたとき(下降曲線)で異なる曲線を描き、ヒステリシスループ(履歴曲線)を形成しています。下降曲線が上昇曲線の上側を通る(同じせん断応力でせん断速度が大きい)のが特徴で、これはチキソトロピーです。
チキソトロピーとは
せん断力をかけると構造が崩れて粘度が低下し(流動化)、静置すると元の構造に回復して粘度が増加する(固化)という可逆的な性質。
・レオグラム上では上昇曲線と下降曲線がループを形成する(ヒステリシスループ)
・下降曲線が上昇曲線の上側:同じSで大きなD → 攪拌後は流動しやすい
・代表的な製剤:ゲル剤、懸濁剤、軟膏(カルボポールゲル等)
せん断力をかけると構造が崩れて粘度が低下し(流動化)、静置すると元の構造に回復して粘度が増加する(固化)という可逆的な性質。
・レオグラム上では上昇曲線と下降曲線がループを形成する(ヒステリシスループ)
・下降曲線が上昇曲線の上側:同じSで大きなD → 攪拌後は流動しやすい
・代表的な製剤:ゲル剤、懸濁剤、軟膏(カルボポールゲル等)
各選択肢の解説
× 1 クリープ:一定応力を加え続けたとき、時間とともに変形が増大していく現象。時間-ひずみのグラフで示される
◯ 2 チキソトロピー:せん断によって粘度が低下し、静置で回復する可逆的現象。上昇・下降曲線がループを描くレオグラムの特徴
× 3 応力緩和:一定のひずみを与えたとき、時間とともに応力が低下していく現象
× 4 ダイラタンシー:せん断速度が増加するほど粘度が上昇する現象(ずり濃化)。チキソトロピーとは逆向きのループを形成
× 5 コアセルベーション:高分子電解質溶液に塩を加えると相分離してゲル状の液滴(コアセルベート)を生じる現象。レオロジーとは別の概念
× 1 クリープ:一定応力を加え続けたとき、時間とともに変形が増大していく現象。時間-ひずみのグラフで示される
◯ 2 チキソトロピー:せん断によって粘度が低下し、静置で回復する可逆的現象。上昇・下降曲線がループを描くレオグラムの特徴
× 3 応力緩和:一定のひずみを与えたとき、時間とともに応力が低下していく現象
× 4 ダイラタンシー:せん断速度が増加するほど粘度が上昇する現象(ずり濃化)。チキソトロピーとは逆向きのループを形成
× 5 コアセルベーション:高分子電解質溶液に塩を加えると相分離してゲル状の液滴(コアセルベート)を生じる現象。レオロジーとは別の概念
| 現象 | 特徴・グラフの形 |
| チキソトロピー ★ | S↑→D上昇(上昇曲線)、S↓→D高め(下降曲線が上)。ループが時計回り。静置で回復 |
| ダイラタンシー | S↑で粘度上昇(ずり濃化)。ループが反時計回り(下降曲線が下) |
| クリープ | 時間軸のグラフ。一定応力→時間とともにひずみ増大 |
| 応力緩和 | 時間軸のグラフ。一定ひずみ→時間とともに応力低下 |
引っかけポイント:
・選択肢4(ダイラタンシー)もループを描くが、下降曲線が上昇曲線の下側(反時計回り)でチキソトロピーと逆。「ダイラタンシー=混ぜると固まる(片栗粉)」で方向を記憶
・チキソトロピーのループは時計回り。「時計(チキ)ソトロピー」と覚える
・選択肢4(ダイラタンシー)もループを描くが、下降曲線が上昇曲線の下側(反時計回り)でチキソトロピーと逆。「ダイラタンシー=混ぜると固まる(片栗粉)」で方向を記憶
・チキソトロピーのループは時計回り。「時計(チキ)ソトロピー」と覚える
臨床メモ▼


薬剤師 あおい
チキソトロピーは製剤設計において非常に重要な性質です。例えば懸濁性点眼液や注射用懸濁製剤は、振って混ぜると流動しやすくなり(投与しやすい)、静置すると再び粘性が増す(均一性を保つ)という性質が求められます。
また、軟膏やジェルも同様で、塗布時は伸びやすく(低粘度)、塗った後は皮膚の上でとどまる(高粘度に戻る)という性質がチキソトロピーによって実現されています。「振って使う」製剤を患者さんに指導する際、この原理を知っておくと説明がスムーズです。











