【第110回薬剤師国家試験】問55 レクチン認識による能動的ターゲティングの修飾基 解説

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第111回 問55
第111回 問55
必須問題|薬剤
レクチン認識による能動的ターゲティングの修飾基
問55(必須)
レクチンによる認識機構を介した能動的ターゲティングのための修飾基として用いられるのはどれか。1つ選べ。
1
糖鎖
2
ポリペプチド
3
長鎖不飽和脂肪酸
4
オリゴヌクレオチド
5
ポリエチレングリコール
正解です!
解説でレクチン-糖鎖の認識機構を確認しましょう。
×
不正解です。正解は 1 です。
解説でレクチン-糖鎖の認識機構を確認しましょう。
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レクチンは細胞表面に発現する糖結合タンパク質です。糖鎖(糖質・オリゴ糖)はレクチンと特異的に結合するリガンドであり、製剤表面に糖鎖を修飾することで特定の細胞・組織への能動的ターゲティングが可能になります。

能動的ターゲティングと受動的ターゲティングの違い
受動的ターゲティング:体の生理的特性(EPR効果等)を利用して自然に標的部位に集積
 例:PEG修飾リポソーム → 腫瘍のEPR効果で集積

能動的ターゲティング:製剤表面にリガンド(抗体・糖鎖・ペプチド等)を修飾して、標的細胞の受容体に積極的に結合させる
 例:糖鎖修飾リポソーム → 細胞表面のレクチンと結合 → 特定細胞への選択的送達
レクチン-糖鎖相互作用による能動的ターゲティングの機序
製剤表面に糖鎖(ガラクトース・マンノース・フコース等)を修飾

標的細胞(肝細胞・マクロファージ・腸管上皮細胞等)のレクチン受容体が糖鎖を特異的に認識・結合

受容体介在性エンドサイトーシスで製剤が細胞内に取り込まれる → 薬物を標的細胞へ送達
各選択肢の解説
◯ 1 糖鎖:レクチン受容体のリガンド。細胞表面のレクチンと特異的に結合 → 能動的ターゲティングの修飾基
× 2 ポリペプチド:抗体・RGDペプチド等は能動的ターゲティングに使えるが、「レクチンによる認識」に対応する修飾基ではない
× 3 長鎖不飽和脂肪酸:膜成分・製剤基剤として使用。ターゲティングリガンドではない
× 4 オリゴヌクレオチド:アプタマーはターゲティングに応用可能だが、「レクチン認識」とは無関係
× 5 ポリエチレングリコール(PEG):ステルス化(網内系回避・血中循環延長)のための修飾基。レクチン認識とは逆方向の目的(隠れるため)
修飾基 目的 認識される受容体・機序
糖鎖 ★ 能動的ターゲティング レクチン受容体(アシアロ糖タンパク受容体等)に認識→受容体介在性エンドサイトーシス
抗体・Fab断片 能動的ターゲティング 腫瘍抗原(HER2等)に特異的結合
PEG ステルス化(受動的補助) 網内系による取り込みを回避→血中循環延長→EPR効果促進
葉酸 能動的ターゲティング 葉酸受容体(がん細胞に過剰発現)に結合
引っかけポイント:
選択肢5(PEG):ポリエチレングリコールはリポソームのステルス化に使われる「隠れ蓑」。レクチンに認識されるための修飾とは逆の目的
・「レクチン認識=糖鎖」という対応を確実に。レクチンは「糖結合タンパク質」なので、結合するリガンドは必ず糖鎖
臨床メモ
あおい
薬剤師 あおい

糖鎖修飾による能動的ターゲティングの代表例がアシアロ糖タンパク受容体(ASGPR)を利用した肝細胞ターゲティングです。肝細胞の表面にはガラクトース残基を認識するASGPRが多く発現しており、ガラクトース修飾ナノ粒子やリポソームが肝細胞に選択的に取り込まれます。

この原理はRNA干渉(RNAi)治療薬にも応用されており、GalNAc(N-アセチルガラクトサミン)修飾siRNA製剤(インクリシランなど)が肝臓への選択的送達を実現しています。「糖鎖で肝臓を狙う」という実用的な技術として覚えておきましょう。

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