【第110回薬剤師国家試験】問60 重症筋無力症で認められる症状 解説

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第111回 問60
第111回 問60
必須問題|病態・薬物治療
重症筋無力症で認められる症状
問60(必須)
重症筋無力症で認められる症状はどれか。1つ選べ。
1
突発性発熱
2
前向性健忘
3
聴覚障害
4
振戦
5
構音障害
正解です!
解説で重症筋無力症の症状と病態を確認しましょう。
×
不正解です。正解は 5 です。
解説で重症筋無力症の症状と病態を確認しましょう。
解説を見る

重症筋無力症(MG:Myasthenia Gravis)は、神経筋接合部のニコチン性アセチルコリン受容体(nAChR)に対する自己抗体により、筋収縮が障害される自己免疫疾患です。横紋筋(骨格筋)が侵されるため、骨格筋の脱力・易疲労性が主症状となります。

重症筋無力症の代表的症状(骨格筋障害)
眼瞼下垂(最多・初発症状):上眼瞼挙筋の筋力低下
複視:外眼筋の脱力
構音障害(嗄声・鼻声):口腔・咽喉頭筋の脱力 ← 本問の正解
嚥下困難:咽頭筋の脱力
四肢筋力低下・易疲労性:反復運動で悪化、休息で改善(日内変動あり・夕方に増悪)
呼吸筋麻痺(クリーゼ):重症例。人工呼吸が必要になる緊急状態
各選択肢の解説
× 1 突発性発熱:MGの症状ではない。感染症・悪性腫瘍等で認める
× 2 前向性健忘:新しいことを覚えられない記憶障害。ベンゾジアゼピン投与後やKorsakoff症候群等で認める。MGとは無関係
× 3 聴覚障害:平滑筋や感覚神経は侵されない。MGは骨格筋の障害であり聴覚には影響しない
× 4 振戦:安静時振戦はパーキンソン病、企図振戦は小脳疾患の特徴。MGの症状ではない
◯ 5 構音障害:咽頭・口腔の骨格筋脱力→発声・発音が困難になる。MGの典型症状のひとつ
症状 原因・特徴
眼瞼下垂・複視 外眼筋・眼瞼挙筋の脱力。初発・最多症状(約80%)
構音障害 ★ 咽頭・口腔筋の脱力→発声・発音困難(鼻声・嗄声)
嚥下困難 咽頭筋の脱力。誤嚥リスク↑
四肢脱力・易疲労性 反復で悪化・休息で改善。夕方に増悪(日内変動)
呼吸筋麻痺(クリーゼ) 重症例。人工呼吸器が必要な緊急状態
引っかけポイント:
選択肢4(振戦):パーキンソン病の安静時振戦と混同しやすい。MGは「筋力低下・易疲労性」であり「振戦(震え)」は認めない
・MGは骨格筋(横紋筋)のみ侵される。平滑筋・感覚神経・中枢神経は侵されないため、聴覚障害・記憶障害は起こらない
・「日内変動あり(夕方悪化)」「反復で悪化・休息で改善」がMGの特徴的なパターン
臨床メモ
あおい
薬剤師 あおい

MGの治療薬として代表的なのがコリンエステラーゼ阻害薬(ピリドスチグミン)です。アセチルコリンの分解を抑制して神経筋接合部のACh濃度を高め、残存する受容体への刺激を増やします。

薬剤師として注意したいのがMGを悪化させる薬物です。アミノグリコシド系抗菌薬(ゲンタマイシン等)・フルオロキノロン系・マクロライド系・β遮断薬・Ca拮抗薬などがMGの症状を悪化させることがあります。患者さんからMGの既往を聞いたら、処方薬や市販薬との相互作用を必ず確認しましょう。

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