【第111回薬剤師国家試験】問188 妊娠高血圧における降圧薬の選択 解説

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第111回 問188
第111回 問188
理論問題|病態・薬物治療
妊娠高血圧における降圧薬の選択
問188 35歳女性。妊娠23週で高血圧(180/110 mmHg)を認め、メチルドパを投与されたが十分な降圧は得られなかった。追加する薬物として適切なのはどれか。1つ選べ。
1 ニフェジピン
2 ジルチアゼム塩酸塩
3 エナラプリルマレイン酸塩
4 テルミサルタン
5 レナリドミド
正解です!
正答:1
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不正解です
正答:1
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💡 妊娠中に使える降圧薬は限られている。ACE阻害薬・ARBは妊娠中禁忌(胎児腎障害・羊水過少)。妊娠高血圧に使える薬:メチルドパ・ニフェジピン・ヒドララジン・ラベタロール。
選択肢正誤解説
1
ニフェジピン
Ca拮抗薬。妊娠高血圧の第一選択薬の一つ。胎盤血流を維持しつつ確実な降圧が得られる。メチルドパで効果不十分な場合の追加・代替薬として推奨されている。徐放製剤が使用される。
2
ジルチアゼム塩酸塩
× Ca拮抗薬だが、ジルチアゼムは妊婦への安全性データが不十分で妊娠中の使用は推奨されない。同じCa拮抗薬でもニフェジピンとは妊娠中の安全性評価が異なる点に注意。
3
エナラプリルマレイン酸塩
× ACE阻害薬。妊娠中禁忌。特に妊娠中期・後期に使用すると、胎児の腎発育障害・羊水過少・頭蓋骨低形成・胎児死亡のリスクがある。
4
テルミサルタン
× ARB(アンジオテンシンII受容体拮抗薬)。ACE阻害薬と同様に妊娠中禁忌。レニン-アンジオテンシン系を抑制するため、胎児腎機能障害・羊水過少を引き起こす。
5
レナリドミド
× 多発性骨髄腫・骨髄異形成症候群治療薬(免疫調節薬)。降圧薬ではない。サリドマイド誘導体であり妊婦への投与は絶対禁忌(催奇形性)。管理プログラム(RevMate)のもとで厳格に使用される。
⚠️ 引っかけポイント(選択肢順):
・選択肢2:「Ca拮抗薬だからニフェジピンと同じ」と思わない。妊娠中はニフェジピンのみ推奨。
・選択肢3・4:ACE阻害薬・ARBは妊娠中禁忌の最頻出ペア。どちらも「胎児腎障害・羊水過少」が理由。セットで覚える。
・選択肢5:降圧薬ですらない。レナリドミドはサリドマイド誘導体で催奇形性あり、妊婦には絶対禁忌。
臨床メモ
あおい
薬剤師 あおい

妊娠中の処方箋を受け取ったとき、ACE阻害薬・ARBが含まれていたら必ず確認しましょう。妊娠中期・後期の使用は胎児への重大リスクがあります。また、ニフェジピンを処方されている妊婦さんには「グレープフルーツを避けてください」の指導も忘れずに(CYP3A4阻害により血中濃度が上昇し過度の降圧が起こる可能性があります)。妊娠高血圧は子癇(けいれん発作)への移行リスクもあり、頭痛・浮腫・視覚異常などの症状があればすぐに受診するよう伝えましょう。

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