【第111回薬剤師国家試験】問193 症状と漢方薬の組合せ 解説

  • URLをコピーしました!
第111回 問193
第111回 問193
理論問題|病態・薬物治療
症状と漢方薬の組合せ
問193 症状とその治療に用いられる漢方薬の組合せとして、正しいのはどれか。2つ選べ。
症状 漢方薬
1 排尿困難 八味地黄丸
2 便秘 牛車腎気丸
3 感冒 六君子湯
4 機能性ディスペプシア 麻黄湯
5 更年期障害 加味逍遥散
正解です!
正答:1と5
×
不正解です
正答:1と5
解説を見る
💡 漢方薬は「名前の由来・構成生薬・適応症状」をセットで覚えるのが定石。誤りの選択肢は「症状は正しいが薬が違う」パターンが多い。
選択肢正誤解説
1
排尿困難
八味地黄丸
八味地黄丸は腎虚(加齢による機能低下)に用いる代表的な補腎薬。排尿困難・頻尿・夜間尿などの泌尿器症状に適応。六味地黄丸に桂皮・附子を加えた処方で、高齢者の前立腺肥大に伴う排尿障害でよく処方される。
2
便秘
牛車腎気丸
× 牛車腎気丸は八味地黄丸に牛膝・車前子を加えた処方で、下肢のむくみ・しびれ・排尿困難(特に糖尿病性神経障害など)に用いる。便秘の漢方薬は大黄甘草湯・麻子仁丸・防風通聖散などが代表的。
3
感冒
六君子湯
× 六君子湯は胃腸虚弱・食欲不振・機能性ディスペプシアに用いる。感冒の漢方薬は葛根湯(初期・実証)・麻黄湯(インフルエンザ様)・桂枝湯(虚証)・小柴胡湯(遷延期)などが代表的。
4
機能性ディスペプシア
麻黄湯
× 麻黄湯は麻黄・桂皮・杏仁・甘草からなる発汗解表薬で、感冒初期・インフルエンザに用いる。機能性ディスペプシアには六君子湯が適応(選択肢3と4が入れ替わっている)。
5
更年期障害
加味逍遥散
加味逍遥散は逍遥散に牡丹皮・山梔子を加えた処方。更年期障害・月経不順・不定愁訴(のぼせ・イライラ・不眠)を呈する虚証〜中間証の女性に広く用いられる。当帰芍薬散・桂枝茯苓丸と並ぶ女性の三大漢方の一つ。
⚠️ 引っかけポイント(選択肢順):
・選択肢2:牛車腎気丸は八味地黄丸の派生形(排尿困難・下肢浮腫・しびれ)。便秘ではない。
・選択肢3・4:六君子湯(胃腸虚弱・機能性ディスペプシア)と麻黄湯(感冒)が入れ替わっている典型的な引っかけ。

📌 女性三大漢方の使い分け:
当帰芍薬散:冷え・貧血傾向・むくみ(虚証)
桂枝茯苓丸:のぼせ・下半身の冷え・月経痛(中間〜実証)
加味逍遥散:のぼせ・イライラ・不眠・更年期障害(虚証〜中間証)
臨床メモ
あおい
薬剤師 あおい

八味地黄丸・牛車腎気丸はどちらも高齢者の泌尿器症状に使われますが、牛車腎気丸は下肢のしびれ・浮腫が加わる場合に選ばれます。糖尿病性神経障害の患者さんに処方されることも多いです。また、加味逍遥散を服用中の患者さんには「山梔子(サンシシ)含有製剤の長期服用で腸間膜静脈硬化症のリスクがある」ことを念頭に、腹痛・下痢・便秘が続く場合は受診を促しましょう。

第111回 薬剤師国家試験 解説トップへ

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
目次