【第111回薬剤師国家試験】問189 シェーグレン症候群 解説

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第111回 問189
第111回 問189
理論問題|病態・薬物治療
シェーグレン症候群
問189 シェーグレン症候群に関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。
1 抗SS-A抗体が陽性になることが多い。
2 障害は涙腺と唾液腺に現れ、その他の臓器ではみられない。
3 中年男性に好発する。
4 ドライマウスに対して、アトロピンが使用される。
5 ドライアイに対して、人工涙液による対症療法が用いられる。
正解です!
正答:1と5
×
不正解です
正答:1と5
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💡 シェーグレン症候群の3本柱:①自己抗体(抗SS-A・抗SS-B)、②外分泌腺障害(涙腺・唾液腺)+全身症状、③中年女性に好発(女性:男性 ≒ 9:1)
選択肢正誤解説
1
抗SS-A抗体陽性
抗SS-A(抗Ro)抗体はシェーグレン症候群の診断基準に含まれる特異的自己抗体。約70〜80%の症例で陽性となる。抗SS-B(抗La)抗体も同様に陽性になることが多い。SLEでも陽性になる場合がある。
2
涙腺・唾液腺のみ
× シェーグレン症候群は涙腺・唾液腺障害(乾燥症状)が主体だが、全身の外分泌腺(気道・消化管・膣など)や関節・腎臓・肺・神経系にも障害が及ぶ全身性自己免疫疾患。「その他の臓器ではみられない」は誤り。
3
中年男性に好発
× シェーグレン症候群は中年女性に好発(40〜60歳代)。女性:男性比は約9:1と女性優位。自己免疫疾患全般に女性に多い傾向があり、シェーグレン症候群はその典型。
4
ドライマウス
にアトロピン
× アトロピンは抗コリン薬であり、唾液腺分泌を抑制するため口腔乾燥(ドライマウス)を悪化させる。ドライマウスの治療にはムスカリン受容体刺激薬であるセビメリン(エボザック®)やピロカルピンが使用される。
5
ドライアイに
人工涙液
根本的な治療法がないため、対症療法が中心。ドライアイには人工涙液点眼(ヒアルロン酸ナトリウムなど)が用いられる。重症例には涙点プラグ(涙の排出を防ぐ)も選択肢となる。
⚠️ 引っかけポイント(選択肢順):
・選択肢2:「涙腺・唾液腺のみ」という限定表現が誤り。全身性自己免疫疾患である点を忘れない。
・選択肢3:「男性」が誤り。女性優位(9:1)は国試頻出。自己免疫疾患=女性に多いをセットで覚える。
・選択肢4:アトロピン(抗コリン)は分泌を抑制→ドライマウスを悪化させる。セビメリン(コリン刺激)が正しい治療薬。

📌 豆知識①:二次性シェーグレン症候群
シェーグレン症候群には単独発症の「原発性」と、関節リウマチ(RA)・SLE・強皮症などの自己免疫疾患に合併する「二次性」があり、約30%が二次性とされる。二次性では基礎疾患の治療薬(MTX・生物学的製剤など)と乾燥症状治療薬が混在した複雑な処方になりやすく、薬剤師による処方チェックの価値が高い。

📌 豆知識②:口腔ケアと歯科連携
唾液には細菌を洗い流す自浄作用・抗菌作用・緩衝作用がある。唾液分泌が低下するとう蝕(虫歯)・歯周病・口腔カンジダ症のリスクが顕著に高まる。セビメリンの処方がある患者には歯科受診の定期化を勧め、歯科と情報共有することが薬剤師の職能発揮につながる。
臨床メモ
あおい
薬剤師 あおい

シェーグレン症候群の患者さんが薬局に来たとき、抗コリン作用をもつ薬(抗ヒスタミン薬・三環系抗うつ薬・過活動膀胱治療薬など)が処方されていないか確認することが大切です。これらはドライマウス・ドライアイを悪化させます。また、セビメリン(エボザック®)服用中の患者には「発汗・悪心・頻尿などのコリン作動性副作用」が出ることを事前にお伝えしておくと安心してもらえます。

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