第111回
問190
理論問題|病態・薬物治療
心房細動の治療
問190 心房細動の治療に関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。
1
除細動及び洞調律維持を目的として、リドカインが用いられる。
—
2
心拍数調節を目的として、アドレナリンβ受容体遮断薬が用いられる。
—
3
WPW(Wolff-Parkinson-White)症候群を併発している場合には、ジゴキシンによる心拍数調節が推奨される。
—
4
非薬物療法として、カテーテルアブレーションが再発予防に用いられる。
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5
脳塞栓症の合併予防には、主にアスピリンによる抗血小板療法が用いられる。
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正解です!
正答:2と4
不正解です
正答:2と4
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💡 心房細動の治療戦略は「①レートコントロール(心拍数調節)」「②リズムコントロール(洞調律維持)」「③脳塞栓予防(抗凝固療法)」の3本柱で整理する。
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 除細動・洞調律維持 にリドカイン |
× | リドカインはNaチャネル遮断薬(Ib群)で心室性不整脈(心室頻拍・心室細動)に用いる。心房細動の除細動・洞調律維持にはフレカイニド・アミオダロン・ソタロールなどが使われる。 |
| 2 心拍数調節に β遮断薬 |
◯ | β遮断薬(ビソプロロールなど)は房室結節の伝導を抑制し、心拍数を低下させるレートコントロールの第一選択薬。Ca拮抗薬(ベラパミル・ジルチアゼム)やジゴキシンも同目的で使われる。 |
| 3 WPW合併に ジゴキシン |
× | WPW症候群合併の心房細動では副伝導路(ケント束)を介した高頻度の心室興奮が起こりうる。ジゴキシン・ベラパミル・ジルチアゼムは副伝導路の伝導を促進させる危険があり禁忌。カテーテルアブレーションや電気的除細動が選択される。 |
| 4 非薬物療法に カテーテルアブレーション |
◯ | カテーテルアブレーション(肺静脈隔離術など)は心房細動の根治・再発予防を目的とした非薬物療法。薬物療法で効果不十分な発作性・持続性心房細動に適応される。 |
| 5 脳塞栓予防に アスピリン |
× | 心房細動による脳塞栓予防には抗凝固療法(DOAC:アピキサバン・リバーロキサバンなど、またはワルファリン)が第一選択。アスピリンは抗血小板薬であり、心房内血栓(凝固系)の予防効果は抗凝固薬より明らかに劣る。 |
⚠️ 引っかけポイント(選択肢順):
・選択肢1:リドカインは心室性不整脈の薬。「除細動」という言葉で正しそうに見えるが、心房細動には使わない。
・選択肢3:WPW+心房細動ではジゴキシン・ベラパミル・ジルチアゼムは禁忌。副伝導路促進→心室細動誘発のリスク。
・選択肢5:心房細動の脳塞栓予防は抗凝固薬(DOAC・ワルファリン)。「抗血小板薬=アスピリン」では不十分。CHA₂DS₂-VAScスコアで抗凝固薬適応を判断する。
・選択肢1:リドカインは心室性不整脈の薬。「除細動」という言葉で正しそうに見えるが、心房細動には使わない。
・選択肢3:WPW+心房細動ではジゴキシン・ベラパミル・ジルチアゼムは禁忌。副伝導路促進→心室細動誘発のリスク。
・選択肢5:心房細動の脳塞栓予防は抗凝固薬(DOAC・ワルファリン)。「抗血小板薬=アスピリン」では不十分。CHA₂DS₂-VAScスコアで抗凝固薬適応を判断する。
臨床メモ
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薬剤師 あおい
心房細動患者にDOAC(アピキサバン・リバーロキサバン・ダビガトランなど)が処方されている場合、飲み忘れ・自己中断が脳梗塞リスクに直結することを毎回しっかり伝えましょう。また、ワルファリン服用中の患者はPT-INRモニタリングと食事(納豆・青汁などのビタミンK含有食品)への注意指導が必要です。DOACは食事制限がない点を患者にわかりやすく説明すると、アドヒアランス向上につながります。










