【第110回薬剤師国家試験】問176 粉体の真密度の計算 解説

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第110回 問176
第110回 問176
理論問題|薬剤
粉体の真密度の計算
問176(理論)
ある水不溶性の薬物粉体25.0 gを50.0 mLの容器に充てんした。この容器を水で満たしたとき、全体の質量(容器質量を除く)は55.0 gであった。この粉体の真密度(g/mL)に最も近い値はどれか。1つ選べ。

ただし、水の密度を1.00 g/mLとし、添加した水は粉体の空隙をすべて満たすものとする。
1
0.80
2
1.00
3
1.25
4
1.50
5
1.75
正解です!
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不正解です。正解は 3 です。
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真密度は、粒子内部の空隙(細孔)を含まない、粒子そのものが占める体積(真の体積)に基づく密度です。本問では、容器の全容積から「水で満たされた空隙の体積」を差し引くことで、粉体の真の体積を求めることがポイントです。

計算の考え方
① 容器(50.0 mL)に粉体25.0 gを充てんした後、水を加えて満たしたときの全体質量は55.0 g(容器質量を除く)
② 加えた水の質量 = 全体質量 - 粉体質量 = 55.0 - 25.0 = 30.0 g
③ 水の密度は1.00 g/mLなので、加えた水の体積 = 30.0 g ÷ 1.00 g/mL = 30.0 mL
④ この水の体積は「粉体の空隙をすべて満たす」体積、すなわち容器内で粉体が占めていない空間(空隙体積)に等しい
⑤ 粉体の真の体積 = 容器の全容積 - 空隙体積 = 50.0 - 30.0 = 20.0 mL
真密度の計算
真密度 = 粉体質量 ÷ 粉体の真の体積
   = 25.0 g ÷ 20.0 mL
   = 1.25 g/mL
引っかけポイント:
・容器の全容積(50.0 mL)をそのまま粉体の体積として使い、25.0÷50.0=0.50 のように誤って計算してしまうと、選択肢のいずれにも一致しない値になってしまう(空隙分を差し引く手順を忘れないよう注意)
・加えた水の体積(30.0 mL)をそのまま粉体の体積と誤認し、25.0÷30.0≒0.83(選択肢1の0.80に近い値)としてしまう誤りに注意する。加えた水の体積は「空隙の体積」であり、「粉体自体の体積」ではない
・「真密度」と「かさ密度(見かけ密度、空隙を含めた体積で計算する密度)」を混同しないこと。かさ密度であれば25.0÷50.0=0.50 g/mLとなるが、本問で問われているのは空隙を除いた真密度である
臨床メモ
あおい
薬剤師 あおい

真密度(粒子密度)は、製剤設計において顆粒・錠剤の圧縮特性や崩壊性を評価する際の基礎データとなります。かさ密度(空隙を含む見かけの密度)との差が大きいほど、粉体の空隙率が高いことを意味し、圧縮成形性や流動性にも影響します。

実務では直接この計算を行う機会は少ないものの、製剤の物性理解として、真密度・かさ密度・空隙率(気孔率)の関係を押さえておくと、添付文書やインタビューフォームに記載される製剤特性の理解にも役立ちます。

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