【第111回薬剤師国家試験】問9 芳香族性・ヒュッケル則 解説

  • URLをコピーしました!
第111回 問9
第111回 問9
🧪 必須問題|物理・化学・生物
芳香族性を示さない化合物
📋 問題文
芳香族性を示さないのはどれか。1つ選べ。
1
選択肢1
2
選択肢2
3
選択肢3
4
選択肢4
5
選択肢5
正解です!
素晴らしい!下の解説も確認してみましょう。
×
不正解です。正解は 3(シクロオクタテトラエン)です。
下の解説でしっかり確認しましょう!
📖 解説を見る

芳香族性の判定にはヒュッケル則を使います。

🔑 ヒュッケル則(芳香族性の条件)

以下の条件をすべて満たす環状化合物が芳香族性を示します:
環状(閉じた環をもつ)
平面構造(環を構成するすべての原子がp軌道を持ち、隣同士で重なれる必要がある)
 ・炭素はsp²混成になることでp軌道を持つ
 ・ヘテロ原子も同様:ピロールのN・チオフェンのSは孤立電子対をp軌道に収めてπ系に参加し、実質的にsp²混成と同じ役割を果たす
完全に共役している(環全体でπ電子が非局在化)
④ π電子数が 4n+2 個(n = 0, 1, 2, …)
 → 2, 6, 10, 14… 個のπ電子で芳香族性あり

各選択肢の判定:

番号化合物π電子数ヒュッケル則芳香族性
1ピロール(N含有5員環)6個(二重結合2×2 + N孤立電子対2)4×1+2 = 6 ◯あり
2チオフェン(S含有5員環)6個(二重結合2×2 + S孤立電子対2)4×1+2 = 6 ◯あり
3 ◯シクロオクタテトラエン(8員環)8個(二重結合4×2)4×2 = 8 → 4n則(反芳香族に近い)かつ非平面(浴槽型)なし ◯
4ナフタレン(縮合2環)10個(5つの二重結合×2)4×2+2 = 10 ◯あり
5アズレン(5員環+7員環縮合)10個4×2+2 = 10 ◯あり
💡 選択肢3(シクロオクタテトラエン)のポイント:
π電子数は8個で、ヒュッケル則の「4n+2」に当てはまりません(4×2=8は4n則)。
さらに8員環は平面構造をとれず浴槽型(タブ型)に歪むため、π電子の完全な非局在化も起こりません。
これら2つの理由から芳香族性を示しません。
⚠️ 引っかけポイント:ピロールとチオフェン
5員環ヘテロ芳香族は「二重結合が2つしかない=π電子4個?」と誤解されがちです。
NやSの孤立電子対2個がπ系に参加することで合計6個になり、ヒュッケル則を満たします。
一方、ピリジンのNの孤立電子対はπ系に参加しないので注意!
🏥 臨床メモ
あおい
💊 薬剤師 あおい

ピロールやチオフェン骨格は医薬品によく登場します。たとえばアトルバスタチン(リピトール)にはピロール環が含まれていますし、チオフェン環を持つ薬も多数あります。

アズレン(選択肢5)は消炎・抗潰瘍作用をもち、アズレンスルホン酸ナトリウム(アズノール)として胃炎や口内炎の治療薬に使われています。特徴的な青色が目印です。

📋 薬剤師国家試験 解説トップへ

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
目次