【第111回薬剤師国家試験】問12 ペントースリン酸回路とNADPH産生 解説

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第111回 問12
第111回 問12
🔬 必須問題|物理・化学・生物
ペントースリン酸回路とNADPH産生
📋 問題文
ペントースリン酸回路の中でNADPHを生じる反応の基質はどれか。1つ選べ。
1
グルコース1-リン酸
2
グルコース6-リン酸
3
フルクトース6-リン酸
4
グリセルアルデヒド3-リン酸
5
ホスホエノールピルビン酸
正解です!
素晴らしい!下の解説も確認してみましょう。
×
不正解です。正解は 2(グルコース6-リン酸) です。
下の解説でしっかり確認しましょう!
📖 解説を見る

ペントースリン酸回路は細胞質ゾルに存在し、グルコース6-リン酸を出発点としてNADPHとリボース5-リン酸を産生します。NADPHを生じるのは酸化的段階の2反応です。

● 酸化的段階(NADPHが生じるステップ)
グルコース6-リン酸 ★ 問12の正解(基質) グルコース6-Pデヒドロゲナーゼ(G6PD) NADP⁺ → NADPH + H⁺ ① (問12の正解反応) 6-ホスホグルコノラクトン (6-phosphogluconolactone) ラクトナーゼ 6-ホスホグルコン酸 (6-phosphogluconate) 6-ホスホグルコン酸デヒドロゲナーゼ NADP⁺ → NADPH + H⁺ ② + CO₂ 放出(脱炭酸) 酸化的脱炭酸反応 D-リブロース5-リン酸 (ペントース) 非酸化的段階へ…
🔑 NADPHを産生する2つのステップ

グルコース6-リン酸 → 6-ホスホグルコノラクトン
 酵素:グルコース6-リン酸デヒドロゲナーゼ(G6PD)
 NADP⁺ → NADPH + H⁺(問12はこの反応の基質を問うている)

② 6-ホスホグルコン酸 → D-リブロース5-リン酸
 酵素:6-ホスホグルコン酸デヒドロゲナーゼ
 NADP⁺ → NADPH + H⁺、CO₂放出(酸化的脱炭酸)

問題は「NADPHを生じる反応の基質」を問うており、最初の反応の基質=グルコース6-リン酸(2番)が正解。
💡 ペントースリン酸回路のまとめ
・場所:細胞質ゾル
・産物:NADPH(還元力の供給)+ リボース5-リン酸(核酸・PRPP合成)
・ATPもNADHも産生しない → エネルギー供給には関わらない
・非酸化的段階ではリブロース5-Pからリボースおよびキシルロースへ変換され、最終的にF6-PやG3-Pとして解糖系に戻る
⚠️ 引っかけポイント:
・グルコース1-リン酸(選択肢1)はグリコーゲン代謝の中間体で、ペントースリン酸回路には登場しない
・フルクトース6-リン酸(選択肢3)・グリセルアルデヒド3-リン酸(選択肢4)は非酸化的段階の産物として解糖系に戻る物質。基質ではない
・ホスホエノールピルビン酸(選択肢5)は解糖系の代謝産物でこの回路には無関係
🏥 臨床メモ
あおい
💊 薬剤師 あおい

ペントースリン酸回路で産生されるNADPHは、赤血球の酸化ストレス防御に不可欠です。赤血球にはグルタチオン(GSH)という抗酸化物質があり、活性酸素を消去して細胞を守っています。GSHは使われると酸化型(GSSG)になりますが、NADPHの力を借りてGSHに再生されます。G6PDが欠損するとNADPHが作れず→GSHが再生できず枯渇→酸化ストレスに耐えられず赤血球が溶血する、という流れです(G6PD欠損症)。

注意すべきは、サルファ剤(ST合剤など)・アスピリン大量投与などです。これらは赤血球内の酸化ストレスを高め、GSHの消費を加速させます。通常であればNADPHでGSHを再生できますが、G6PD欠損症ではNADPHが作れないためGSHが枯渇。結果としてヘモグロビンが酸化変性してハインツ小体を形成し、赤血球膜が傷害されて溶血性貧血を引き起こします。なお、プリマキン(抗マラリア薬)やダプソンも同様のリスクがありますが、日本でのマラリアは海外渡航者の輸入感染症がほとんどのため、出会う機会は限られます。

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