【第111回薬剤師国家試験】問18 ウェルニッケ脳症を引き起こすビタミン欠乏 解説

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第111回 問18
第111回 問18
🌿 必須問題|衛生
ウェルニッケ脳症を引き起こすビタミン欠乏
📋 問題文
欠乏によりウェルニッケ脳症が引き起こされるビタミンはどれか。1つ選べ。
1
選択肢1の構造式
2
選択肢2の構造式
3
選択肢3の構造式
4
選択肢4の構造式
5
選択肢5の構造式
正解です!
素晴らしい!下の解説も確認してみましょう。
×
不正解です。正解は 2(ビタミンB₁) です。
下の解説でしっかり確認しましょう!
📖 解説を見る

ウェルニッケ脳症はビタミンB₁(チアミン)欠乏によって起こる神経疾患です。選択肢2の構造式はピリミジン環とチアゾール環が結合したチアミンの特徴的な構造を示しています。

選択肢ビタミン名代表的な欠乏症
1 ビタミンC(アスコルビン酸)
ラクトン環・エンジオール構造が特徴
壊血病(血管壁コラーゲン合成障害)
2 ★正解 ビタミンB₁(チアミン)
ピリミジン環+チアゾール環が特徴
ウェルニッケ脳症・脚気
3 ビタミンD(コレカルシフェロール)
ステロイド骨格・セコステロイド構造
くる病(小児)・骨軟化症(成人)
4 ビタミンK(フィロキノン)
ナフトキノン骨格+長鎖側鎖
出血傾向(凝固因子Ⅱ・Ⅶ・Ⅸ・Ⅹ活性化障害)
5 ビタミンE(トコフェロール)
クロマン環+長鎖側鎖
溶血性貧血・末梢神経障害
🔑 ビタミンB₁とウェルニッケ脳症
チアミンはピルビン酸デヒドロゲナーゼ・α-ケトグルタル酸デヒドロゲナーゼ・トランスケトラーゼの補酵素(TPP:チアミンピロリン酸)として糖代謝に必須。欠乏するとATP産生が低下し、特にエネルギー需要が高い脳・神経細胞が障害される。

ウェルニッケ脳症の3徴:眼球運動障害・運動失調・意識障害
慢性アルコール依存症患者・重症嘔吐妊婦・透析患者などでリスクが高い。
⚠️ 構造式の識別ポイント:
チアミン(2):硫黄(S)を含むチアゾール環が目印。窒素(N)も多い複素環構造
アスコルビン酸(1):ラクトン(環状エステル)+隣接する2つのOH(エンジオール)が特徴
ビタミンD(3):ステロイド骨格のB環が開いたセコステロイド。OH基あり
ビタミンK(4):ナフトキノン(2つのC=O)+長い側鎖
ビタミンE(5):クロマン環(ベンゼン環に酸素を含む6員環が縮合)+長い側鎖、OH基あり
🏥 臨床メモ
あおい
💊 薬剤師 あおい

ウェルニッケ脳症は慢性アルコール依存症の患者さんで特に注意が必要です。アルコールはチアミンの吸収・利用を妨げるうえ、食事摂取が偏りがちになるため欠乏しやすい状況が重なります。病院では静注用チアミン(ビタメジン®など)で緊急補充されます。

また、重篤な悪阻(妊娠悪阻)で経口摂取ができない妊婦さんへのビタミンB₁補充も重要です。点滴にブドウ糖液を使う際は、先にチアミンを補充することが必要です。ブドウ糖を投与すると糖代謝が一気に回転し、補酵素TPP(チアミンピロリン酸)の需要が急増します。もともとチアミンが枯渇している状態でさらに消費が加速すると脳のエネルギー産生が破綻し、ウェルニッケ脳症を誘発するリスクがあります。医療従事者として必ず押さえておきましょう。

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