【第111回薬剤師国家試験】問76 特定生物由来製品の投与記録として不要な項目 解説

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第111回 問76
第111回 問76
必須問題|法規・制度・倫理
特定生物由来製品の投与記録として不要な項目
問題文
医療機関において特定生物由来製品を患者に投与した際に、特定生物由来製品取扱医療関係者による記録が必要な項目に該当しないのはどれか。1つ選べ。
1
患者の氏名
2
製品の名称
3
製品の製造番号又は製造記号
4
投与した年月日
5
製品を購入した卸売販売業者の名称
正解です!
特定生物由来製品の記録義務は「患者と製品のトレーサビリティ」が目的です。
×
不正解です。正解は 5 製品を購入した卸売販売業者の名称 です。
購入先の卸業者名は記録義務の対象外です。
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正解:5 製品を購入した卸売販売業者の名称

特定生物由来製品の記録義務(薬機法第68条の22)の目的は、感染症などの健康被害が発生したときに「どの患者にどのロットの製品が使われたか」を遡れるようにすること(トレーサビリティの確保)。購入先の卸業者名はこの目的に直結しないため、記録義務の対象外。
薬機法第68条の22 — 特定生物由来製品の記録義務事項
  • 患者の氏名および住所
  • 製品の名称
  • 製品の製造番号または製造記号(ロット番号)
  • 投与した年月日
  • × 製品を購入した卸売販売業者の名称(→記録義務なし)

※記録は20年間保存する義務がある(一部製品は一定期間)。

選択肢項目記録義務
1 患者の氏名 ◯ 必要(住所とともに記録)
2 製品の名称 ◯ 必要
3 製品の製造番号又は製造記号 ◯ 必要(ロット単位でのトレーサビリティに必須)
4 投与した年月日 ◯ 必要
5 ★ 製品を購入した卸売販売業者の名称 × 記録義務なし(正答)
⚠️ 引っかけポイント:
選択肢3(製造番号または製造記号)はロット番号のこと。同じ製品名でもロットが異なれば原料や製造工程が異なるため、「どのロットの製品が問題だったか」を特定するうえで不可欠。記録必須項目
選択肢5(卸売販売業者の名称)は「購入先」の情報であり、患者への投与記録とは性質が異なる。卸の記録は卸業者側で管理されるものであり、医療機関側の投与記録には含まれない
臨床メモ
あおい
薬剤師 あおい

特定生物由来製品の代表例は血液製剤(アルブミン・免疫グロブリン・凝固因子製剤など)や、ヒト細胞・組織由来の製品です。薬害エイズや薬害肝炎の教訓から、「誰にどのロットを使ったか」を20年間記録・保存することが義務づけられました。万が一そのロットで感染症が判明した場合、記録をたどって対象患者に速やかに連絡できる体制を整えるためです。

病院薬剤師として血液製剤を払い出す際には、患者氏名・製品名・ロット番号・払い出し日を記録するのが通常業務の一部です。「なぜこんな細かい記録が必要なのか」という問いへの答えが、この薬機法の規定にあります。

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