第111回
問159
理論問題|薬理
骨粗しょう症治療薬の作用機序
問159 骨粗しょう症治療薬の作用機序に関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。
1
アレンドロン酸は、メバロン酸経路のファルネシルピロリン酸合成酵素を阻害することで、破骨細胞による骨吸収を抑制する。
—
2
カルシトリオールは、カルシトニン受容体を刺激することで、腸管からのCa²⁺吸収を促進する。
—
3
テリパラチドは、破骨細胞のビタミンD受容体に結合することで、破骨細胞のアポトーシスを促進する。
—
4
ラロキシフェンは、骨組織のエストロゲン受容体の活性化を介して、骨吸収を抑制する。
—
5
ロモソズマブは、スクレロスチンに結合し、古典的Wntシグナル伝達を抑制して、骨形成を促進する。
—
正解です!
骨粗しょう症治療薬の作用機序を正確に把握できています。
不正解です。正解は 1 と 4 です。
解説で各薬物の作用機序を確認しましょう。
解説を見る
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骨粗しょう症治療薬の分類と作用機序
・骨吸収抑制薬:ビスフォスフォネート(アレンドロン酸)、SERM(ラロキシフェン)、デノスマブ(RANKL抗体)、カルシトニン製剤
・骨形成促進薬:テリパラチド(PTH類似体)、ロモソズマブ(抗スクレロスチン抗体)
・骨代謝調節薬:活性型ビタミンD₃(カルシトリオール)
・骨吸収抑制薬:ビスフォスフォネート(アレンドロン酸)、SERM(ラロキシフェン)、デノスマブ(RANKL抗体)、カルシトニン製剤
・骨形成促進薬:テリパラチド(PTH類似体)、ロモソズマブ(抗スクレロスチン抗体)
・骨代謝調節薬:活性型ビタミンD₃(カルシトリオール)
| 選択肢 | 薬物・記述 | 判定・理由 |
|---|---|---|
| 1 ★ | アレンドロン酸:メバロン酸経路のFPP合成酵素阻害→骨吸収抑制 | ◯ 含窒素ビスフォスフォネートのアレンドロン酸はメバロン酸経路のファルネシルピロリン酸(FPP)合成酵素を阻害し、タンパクのプレニル化を妨げて破骨細胞の機能を抑制・アポトーシスを誘導する |
| 2 | カルシトリオール:カルシトニン受容体刺激→腸管Ca²⁺吸収促進 | × カルシトリオール(活性型ビタミンD₃)はビタミンD受容体(VDR)に結合して腸管のカルシウム結合タンパク(カルビンジン)の発現を誘導し、腸管Ca²⁺吸収を促進する。カルシトニン受容体とは無関係 |
| 3 | テリパラチド:破骨細胞のビタミンD受容体結合→アポトーシス促進 | × テリパラチドは副甲状腺ホルモン(PTH)の類似体で、骨芽細胞のPTH受容体(PTH1R)を間欠的に刺激して骨芽細胞の分化・増殖を促進し骨形成を増加させる。ビタミンD受容体には結合しない |
| 4 ★ | ラロキシフェン:骨組織のエストロゲン受容体活性化→骨吸収抑制 | ◯ ラロキシフェンは選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERM)で、骨組織ではエストロゲン受容体のアゴニストとして作用してRANKL産生を抑制し骨吸収を抑制する。乳房・子宮ではアンタゴニストとして作用する |
| 5 | ロモソズマブ:スクレロスチン結合→Wntシグナル抑制→骨形成促進 | × 作用の方向が逆。ロモソズマブは抗スクレロスチン抗体でスクレロスチンに結合するが、その結果Wntシグナル伝達を活性化(促進)して骨形成を増加させる。スクレロスチンはWntシグナルの阻害因子であるため、それを中和することでシグナルが活性化される |
⚠️ 引っかけポイント(選択肢順):
・選択肢2:カルシトリオールは「カルシトニン受容体」ではなくビタミンD受容体(VDR)に結合
・選択肢3:テリパラチドの標的はPTH受容体(骨芽細胞)。ビタミンD受容体ではない
・選択肢5:ロモソズマブはWntシグナルを「抑制」ではなく活性化して骨形成を促進
・選択肢2:カルシトリオールは「カルシトニン受容体」ではなくビタミンD受容体(VDR)に結合
・選択肢3:テリパラチドの標的はPTH受容体(骨芽細胞)。ビタミンD受容体ではない
・選択肢5:ロモソズマブはWntシグナルを「抑制」ではなく活性化して骨形成を促進
臨床メモ
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薬剤師 あおい
アレンドロン酸などビスフォスフォネート製剤の服薬指導では、「起床後30分間は横にならず水だけで服用・食道刺激を防ぐ」という指導が最重要です。顎骨壊死のリスクもあるため、抜歯等の歯科処置前の確認も必要です。
テリパラチド(フォルテオ)は毎日自己注射が必要な骨形成促進薬です。使用期間が最長24ヶ月に制限されており、投与終了後はビスフォスフォネートへの切り替えが推奨されます。注射手技の確認と冷蔵保存の指導が必要です。










