【第110回薬剤師国家試験】問12 プリン塩基のヒトにおける最終代謝産物 解説

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第110回 問12
第110回 問12
理論問題|生物
プリン塩基のヒトにおける最終代謝産物
【設問】

核酸に含まれるプリン塩基のヒトにおける最終代謝産物はどれか。1つ選べ。

問12(生物)
選択肢1 ヒポキサンチン 1
選択肢2 グアニン 2
選択肢3 アデニン 3
選択肢4 キサンチン 4
選択肢5 尿酸(アラントイン) 5
正解です!
ヒトではキサンチンオキシダーゼにより尿酸が最終産物となることを正しく理解しています。
×
不正解です。正解は 5 です。
解説でプリン塩基の分解経路を確認しましょう。
解説を見る

【問12】プリン塩基の分解経路と最終代謝産物

ヒトを含む霊長類では、プリン塩基(アデニン・グアニン)は最終的に尿酸(uric acid)まで分解されて尿中に排泄される。尿酸への最終酸化を担う酵素はキサンチンオキシダーゼ(XO)である。

分解経路の流れ:

アデニン(選択肢3) → ヒポキサンチン(選択肢1) → キサンチン(選択肢4) → 尿酸(選択肢5)★
グアニン(選択肢2) → キサンチン(選択肢4) → 尿酸(選択肢5)★
番号化合物経路上の位置構造上の特徴
1ヒポキサンチンアデニンの脱アミノ体(中間体)6位にC=O のみ(NH₂なし)
2グアニン核酸のプリン塩基(出発物質)6位C=O+2位NH₂
3アデニン核酸のプリン塩基(出発物質)6位NH₂(ケト基なし)
4キサンチン尿酸の1段階前の中間体2位・6位ともにC=O
5 ★尿酸ヒトの最終代謝産物2位・6位C=O+8位C=O(3カ所酸化)

なお、ヒト以外の哺乳類の多くはウリカーゼ(尿酸オキシダーゼ)をもつため、尿酸をさらにアラントインまで分解できる。ヒトはウリカーゼを持たないため尿酸が最終産物となり、蓄積すると高尿酸血症・痛風を引き起こす。

【最速解法】プリン環の酸化ステージ(C=O の数)で見分ける

プリン塩基の分解は段階的に酸化が進む(C=O が増える)プロセスであり、プリン環上の C=O の数を数えるだけで一瞬に化合物が同定できる。

C=O の数化合物特徴
0 個アデニン(選択肢3)6位はアミノ基(−NH₂)のみ。C=O なし。
1 個ヒポキサンチン(選択肢1)/グアニン(選択肢2)ヒポキサンチン:6位のみケト型。グアニン:6位ケト+2位アミノ基(C=O は1つ)。
2 個キサンチン(選択肢4)2位・6位がともにケト型。
3 個 ★尿酸(選択肢5)2位・6位・8位のすべてがケト型。完全酸化。ヒトの最終産物。
選択肢1(ヒポキサンチン)・4(キサンチン):どちらも尿酸の手前の中間体であり、最終産物ではない。キサンチン → 尿酸の反応をキサンチンオキシダーゼが担う。
選択肢2(グアニン)・3(アデニン):どちらも核酸に含まれるプリン塩基(出発物質)であり、代謝産物ではない。
臨床メモ
あおい
薬剤師 あおい

構造式から化合物を見分けるポイントは「酸素(C=O)がいくつあるか」です。ヒポキサンチンは1つ、キサンチンは2つ、尿酸は3つとC=Oが増えていく(酸化が進む)流れを覚えておけば、本問のような構造選択問題は一瞬で解けます。

薬理との関連では、痛風治療薬アロプリノールは、この経路に出てくる「ヒポキサンチン」と構造がそっくり(アイソスター)に作られています。構造が似ているからこそキサンチンオキシダーゼにダミーとして結合し、「ヒポキサンチン→キサンチン→尿酸」の2段階の酸化ステップをどちらも強力にブロックできます。生化学の代謝マップを覚えるときは、薬理の作用機序のパズルとガッチリ組み合わせておくと忘れなくなりますよ!

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