【第110回薬剤師国家試験】問13 RNAポリメラーゼⅡの結合に必要なDNA上の領域 解説

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第110回 問13
第110回 問13
理論問題|生物
RNAポリメラーゼⅡの結合に必要なDNA上の領域
【設問】

真核生物において、転写開始の際に RNA ポリメラーゼⅡの結合に必要な DNA 上の領域はどれか。1つ選べ。

問13(生物)
1
イントロン
2
エクソン
3
プロモーター
4
テロメア
5
ターミネーター
正解です!
RNAポリメラーゼⅡがプロモーターに結合して転写が開始されることを正しく理解しています。
×
不正解です。正解は 3 です。
解説で転写に関わるDNA領域の用語を整理しましょう。
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【問13】転写に関わるDNA上の領域

真核生物において、RNA ポリメラーゼⅡ(Pol II)は単独では DNA に結合できない。転写開始には、まず転写因子(TFIID など)がプロモーター領域の TATA ボックス(転写開始点の約 −25 〜 −30 塩基上流)に結合し、続いて Pol II を含む転写開始複合体が形成される。
用語DNA上の位置・役割本問との関係
プロモーター ★ 転写開始点の上流に位置する制御領域。RNAポリメラーゼと転写因子の結合部位。TATA ボックスを含む。 正解。RNAポリメラーゼⅡの結合に必要な領域。
イントロン(選択肢1) 転写はされるが翻訳されない介在配列。スプライシングで除去される。 RNAポリメラーゼの結合部位ではない。
エクソン(選択肢2) 転写・翻訳される情報配列。mRNA に残りタンパク質をコードする。 RNAポリメラーゼの結合部位ではない。
テロメア(選択肢4) 染色体末端の反復配列(TTAGGG)。染色体の安定性を保護する。 転写開始とは無関係。
ターミネーター(選択肢5) 転写終結に関わる領域。原核生物ではヘアピン構造(ステムループ)を形成して転写を終結させるのに対し、真核生物ではポリアデニル化シグナル(AATAAA)が目印となる。 転写の「終結」に関与。「開始」ではない。

したがって正解は 3(プロモーター) である。

選択肢5(ターミネーター)が最大のひっかけ。「ターミネーター=転写に関係する領域」は正しいが、「開始」ではなく「終結」の領域。問題文の「転写開始の際」という条件を見落とすと誤答する。
選択肢1(イントロン)・2(エクソン):どちらも転写後の mRNA プロセシングに関わる概念であり、RNAポリメラーゼの「結合」とは無関係。
臨床メモ
あおい
薬剤師 あおい

転写に関わる DNA 領域は「上流から下流へ」の順番で覚えると整理しやすいです。

領域 位置 役割
エンハンサー上流(遠位)転写を促進する調節領域(位置・向きに依存しない)
プロモーター転写開始点の直上流RNAポリメラーゼ・転写因子の結合部位(TATA ボックスを含む)
エクソン/イントロン転写領域エクソン:タンパクコード、イントロン:スプライシングで除去
ターミネーター転写終結点の下流転写の終結・ポリA付加シグナル

RNAポリメラーゼの種類と転写対象を覚えておくと、本問のように「Pol Ⅱの結合に必要な領域は?」と問われた際、「Pol Ⅱ → mRNA の転写 → 転写開始にはプロモーター(TATAボックス)が必要」とすぐに導き出せます。ゴロの詳細は上の関連記事で確認してみてください!

また、真核生物の RNA ポリメラーゼは3種類あることも押さえておきましょう。Pol Ⅰは rRNA(28S・18S・5.8S)、Pol Ⅱは mRNA(タンパク質をコードする遺伝子)、Pol Ⅲは tRNA・5S rRNA などの小型 RNA を転写します。本問は「Pol Ⅱ」を指定しているため、mRNA 合成に関係するプロモーターが正解となります。

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