第110回
問16
必須問題|衛生
年次推移グラフが示す人口統計指標
【設問】
下図の年次推移を示す我が国の人口統計指標はどれか。1つ選べ。
問16(衛生)
1
出生率
—
2
合計特殊出生率
—
3
総再生産率
—
4
粗死亡率
—
5
年齢調整死亡率
—
正解です!
高齢化による死亡数増加と粗死亡率の関係を正しく読み取れました。
不正解です。正解は 4 です。
解説で各人口統計指標の定義とグラフの読み取りポイントを確認しましょう。
解説を見る▼
【問16】グラフの読み取りと人口統計指標
グラフの特徴:縦軸は人口千対(‰)、1950年代前半に約11と高く、その後1980年代にかけて約6まで低下し、2000年代以降は高齢化に伴い再び上昇して2020年代に約13まで増加している。この「一度下がって、その後再び上昇」というU字型のカーブを示す人口統計指標は粗死亡率である。
| 番号 | 指標 | 単位・定義 | グラフとの対応 |
|---|---|---|---|
| 1 | 出生率 | 人口千対(‰) | 1950年代は高いが、その後ほぼ一貫して低下し続ける(U字型にならない)。近年は7〜8‰程度で、2020年代は上昇していない。 |
| 2 | 合計特殊出生率 | 単位なし(人) | 1950年代は3〜4、その後低下して近年は1〜1.2程度。縦軸「人口千対」とは合わない。 |
| 3 | 総再生産率 | 単位なし(人) | 合計特殊出生率の女児のみ版。値は0〜2程度で縦軸スケールとは合わない。 |
| 4 ★ | 粗死亡率 | 人口千対(‰) | 1950年代は高く(戦後の死亡多)、その後衛生改善で低下、2000年代以降は高齢化により再上昇。U字型カーブに一致。正解。 |
| 5 | 年齢調整死亡率 | 人口10万対(/10万) | 年齢構成の影響を除いた指標。高齢化が進んでも一貫して低下傾向を示すため、2000年代以降の再上昇とは合わない。 |
粗死亡率の計算式は「死亡数 ÷ 年中人口 × 1,000」である。日本では医療水準の向上により年齢階級別死亡率自体は低下しているが、それを上回るスピードで死亡リスクの高い高齢者の人口割合が激増している。分母(総人口)が横ばい〜減少傾向にある中で分子(死亡する高齢者の絶対数)が毎年増え続けるため、粗死亡率は2000年代以降に急上昇し、このU字型カーブを描く。したがって正解は 4(粗死亡率) である。
・選択肢5(年齢調整死亡率):高齢化の影響を数理的に取り除いた(基準人口に当てはめた)死亡率。医療の進歩や栄養状態の改善をピュアに反映するため、戦後から現在にいたるまで一貫して低下傾向を続けており、グラフの2000年代以降の再上昇とは一致しない。また、年齢調整死亡率は通常「人口10万対」で表されるため、縦軸の単位(人口千対)ともスケールが合わない。
・選択肢1(出生率):縦軸の単位(人口千対)は一致するが、近年は低下傾向が続いておりグラフのような再上昇はみられない。
・選択肢1(出生率):縦軸の単位(人口千対)は一致するが、近年は低下傾向が続いておりグラフのような再上昇はみられない。
臨床メモ▼


薬剤師 あおい
粗死亡率と年齢調整死亡率の違いは国試衛生の超頻出テーマです。「粗死亡率は高齢化で上がる・年齢調整死亡率は上がらない」というセットで覚えてください。
| 指標 | 高齢化が進むと? | 理由 |
|---|---|---|
| 粗死亡率 | 上昇↑ | 死亡しやすい高齢者が増えるため、死亡数の絶対数が増加する |
| 年齢調整死亡率 | 低下↓(または横ばい) | 年齢構成の影響を基準人口で補正するため、医療水準の向上が反映される |
また、単位の違いも要チェックです。粗死亡率・出生率は「人口千対(‰)」、年齢調整死亡率は「人口10万対(/10万)」が使われることが多く、グラフの縦軸の単位から候補を絞り込むのも有効な解法です。
最後に、国試衛生で非常によく狙われる重要知識を補足しておきます。年齢調整死亡率の計算に使われる「基準人口」は現在【平成25年(2013年)のモデル人口】が使用されています(以前は昭和60年の人口が使われていましたが変更されました)。グラフ問題だけでなく、この「平成25年基準」という数字自体が単独で正誤選択肢として狙われますので、粗死亡率のU字グラフと一緒に覚えておきましょう!










