第110回
問20
必須問題|衛生
コウジカビ Aspergillus flavus が産生する主要な肝発がん物質
【設問】
コウジカビ Aspergillus flavus が産生する主要な肝発がん物質はどれか。1つ選べ。
問20(衛生)
1
シトリニン
—
2
パツリン
—
3
アフラトキシン B₁
—
4
フモニシン B₁
—
5
デオキシニバレノール
—
正解です!
Aspergillus flavus → アフラトキシン B₁(肝発がん物質)を正しく理解しています。
不正解です。正解は 3 です。
解説でマイコトキシンの産生菌と毒性を確認しましょう。
解説を見る▼
【問20】マイコトキシン(カビ毒)の産生菌と毒性
Aspergillus flavus(コウジカビの一種)が産生する主要なマイコトキシンはアフラトキシン(Aflatoxin)であり、中でもアフラトキシン B₁ は天然物中で最も強力な肝発がん物質として知られる。トウモロコシ・ピーナッツ・穀類などに汚染することが多く、国際がん研究機関(IARC)のグループ1(ヒトに対する発がん性あり)に分類されている。
| 番号 | マイコトキシン | 主な産生菌 | 主な毒性・特徴 |
|---|---|---|---|
| 1 | シトリニン | Penicillium citrinum など | 腎毒性。米・麦などを汚染。肝発がん性は主な特徴ではない。 |
| 2 | パツリン | Penicillium expansum など | リンゴジュース汚染で問題。消化管・神経毒性。肝発がん性は主な特徴ではない。 |
| 3 ★ | アフラトキシン B₁ | Aspergillus flavus・A. parasiticus | 最強の天然肝発がん物質。肝細胞がんのリスク因子。HBV感染との相乗効果あり。IARC グループ1。 |
| 4 | フモニシン B₁ | Fusarium moniliforme など | トウモロコシ汚染。発がんプロモーター(イニシエーターではない)。食道がんとの関連が指摘される。 |
| 5 | デオキシニバレノール(DON) | Fusarium graminearum など | トリコテセン系毒素。小麦汚染。嘔吐・下痢などの消化器毒性(嘔吐毒素)。発がん性は主な特徴ではない。 |
したがって正解は 3(アフラトキシン B₁) である。
・選択肢4(フモニシン B₁):スフィンゴ脂質代謝を阻害することで働く発がんプロモーター(がんの進展を促進するもの)であり、アフラトキシン B₁ のような強力な発がんイニシエーター(DNA に直接損傷を与えるもの)ではない。また産生菌は Fusarium 属であり Aspergillus 属ではない。
・選択肢1(シトリニン):主な毒性は腎毒性。産生菌は Penicillium 属。
・選択肢2(パツリン):リンゴ果汁での汚染で知られる。産生菌は Penicillium 属。
・選択肢1(シトリニン):主な毒性は腎毒性。産生菌は Penicillium 属。
・選択肢2(パツリン):リンゴ果汁での汚染で知られる。産生菌は Penicillium 属。
臨床メモ▼


薬剤師 あおい
マイコトキシン問題は「産生菌(属)」と「主な毒性」の組み合わせを整理するのが最速です。属名で分類するとシンプルに整理できます。
| 産生菌(属) | 代表的なマイコトキシン | 主な毒性 |
|---|---|---|
| Aspergillus 属 | アフラトキシン B₁、オクラトキシン A | 肝発がん(アフラトキシン)・腎毒性・近位尿細管障害(オクラトキシン A) |
| Penicillium 属 | パツリン、シトリニン、オクラトキシン A | 消化器毒性・腎毒性 |
| Fusarium 属 | デオキシニバレノール(DON)、フモニシン、ゼアラレノン | 嘔吐毒性(DON)・発がんプロモーター(フモニシン)・エストロゲン様作用・生殖機能障害(ゼアラレノン) |
特に国試で狙われやすいのは、オクラトキシン A の「腎毒性(近位尿細管障害)」と、ゼアラレノンの「エストロゲン様作用(豚の不妊など)」です。「アフラは肝臓・オクラは腎臓・ゼアラは子宮(エストロゲン)」とターゲット臓器をセットで脳内にフォルダ分けしておきましょう!ゴロの詳細は上の関連記事で確認してみてください!










