第110回
問21
必須問題|衛生
化審法で規制されていない物質(主に非意図的に生成)
【設問】
主に非意図的に生成することから化審法(注)で規制されていないのはどれか。1つ選べ。
(注)化審法:化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律
問21(衛生)
1
ポリ塩化ジベンゾ-p-ジオキシン
—
2
ポリ塩化ビフェニル
—
3
ペルフルオロ(オクタン-1-スルホン酸)
—
4
ヘキサブロモビフェニル
—
5
ビス(トリブチルスズ)=オキシド
—
正解です!
ダイオキシン類は非意図的生成物として化審法の適用外であることを正しく理解しています。
不正解です。正解は 1 です。
解説でダイオキシン類の位置づけと化審法・ダイオキシン類対策特別措置法の違いを確認しましょう。
解説を見る▼
【問21】化審法の規制対象と非意図的生成物
化審法(化学物質審査規制法)は、意図的に製造・輸入される化学物質を対象として、①難分解性(環境中で分解されにくい)、②高蓄積性(生物の体内に蓄積しやすい)、③長期毒性(ヒトまたは生活環境動植物への長期毒性がある)の3つの要件すべてに該当する物質を「第一種特定化学物質」として指定し、製造・輸入を原則禁止している。一方、ポリ塩化ジベンゾ-p-ジオキシン(PCDD)に代表されるダイオキシン類は、ごみ焼却や金属精錬などで非意図的に副生成されるため、化審法ではなく「ダイオキシン類対策特別措置法(ダイオキシン法)」で規制される。
| 番号 | 物質名 | 化審法上の分類 | 補足 |
|---|---|---|---|
| 1 ★ | ポリ塩化ジベンゾ-p-ジオキシン(PCDD) | 化審法の規制対象外 | 非意図的に生成されるダイオキシン類。ダイオキシン類対策特別措置法で規制。 |
| 2 | ポリ塩化ビフェニル(PCB) | 第一種特定化学物質 | カネミ油症事件の原因物質。難分解性・高蓄積性・慢性毒性。 |
| 3 | ペルフルオロ(オクタン-1-スルホン酸)(PFOS) | 第一種特定化学物質 | フッ素系界面活性剤。難分解性・高蓄積性。PFAS(有機フッ素化合物)の代表例。 |
| 4 | ヘキサブロモビフェニル(HBB) | 第一種特定化学物質 | 臭素系難燃剤。PCBと類似した難分解性・蓄積性を示す。 |
| 5 | ビス(トリブチルスズ)=オキシド(TBTO) | 第一種特定化学物質 | 船底塗料の防汚剤として使用。内分泌かく乱作用・生殖毒性。 |
したがって正解は 1(ポリ塩化ジベンゾ-p-ジオキシン) である。
・選択肢2(PCB):ダイオキシン類に構造が類似しており混同しやすいが、PCB は意図的に製造された工業製品であり、化審法の第一種特定化学物質に指定されている。
・選択肢3(PFOS):消火剤やフッ素系界面活性剤として広く使われていた有機フッ素化合物(PFAS)の一種。2010年に第一種特定化学物質に指定された。なお近年の国試トレンドとして、同系列のPFOA(ペルフルオロオクタン酸)が2021年に、PFHxS(ペルフルオロヘキサンスルホン酸)が2024年にそれぞれ第一種特定化学物質として追加指定されたこともセットで押さえておこう。
・「ダイオキシン類」にはPCDD(ポリ塩化ジベンゾ-p-ジオキシン)・PCDF(ポリ塩化ジベンゾフラン)・Co-PCB(コプラナーPCB)の3種が含まれ、すべてダイオキシン法で規制される。
・選択肢3(PFOS):消火剤やフッ素系界面活性剤として広く使われていた有機フッ素化合物(PFAS)の一種。2010年に第一種特定化学物質に指定された。なお近年の国試トレンドとして、同系列のPFOA(ペルフルオロオクタン酸)が2021年に、PFHxS(ペルフルオロヘキサンスルホン酸)が2024年にそれぞれ第一種特定化学物質として追加指定されたこともセットで押さえておこう。
・「ダイオキシン類」にはPCDD(ポリ塩化ジベンゾ-p-ジオキシン)・PCDF(ポリ塩化ジベンゾフラン)・Co-PCB(コプラナーPCB)の3種が含まれ、すべてダイオキシン法で規制される。
臨床メモ▼


薬剤師 あおい
化審法の第一種特定化学物質の3つの指定要件は「難分解性・高蓄積性・長期毒性」です。「揮発性」は要件に含まれないので注意しましょう。
| 規制法 | 対象 | 代表例 |
|---|---|---|
| 化審法 | 意図的に製造・輸入される化学物質 | PCB、PFOS、HBB、TBTO など(第一種特定化学物質) |
| ダイオキシン法 | 非意図的に生成されるダイオキシン類 | PCDD、PCDF、Co-PCB |
「意図的 → 化審法、非意図的 → ダイオキシン法」という切り分けがこの問題の核心です。なお、第一種特定化学物質の要件(難分解・高蓄積・長期毒性)のひっかけとして「揮発性が高いもの」「急性毒性があるもの」という誤りの選択肢がよく作られます。化審法がターゲットにしているのは、あくまで「環境にじわじわ残り続けて、巡り巡って体に害を及ぼす慢性的なリスクがある工業製品」です。ゴロの詳細は関連記事で確認してみてください!










