ビタミンの構造ってよく問題で見るけど全然覚えられない…
・暗記が苦手で中々覚えられない
・脂溶性ビタミンの構造の覚え方が知りたい
・覚えやすいゴロが知りたい!
この記事はこういった悩みをもった薬学生向けです。
こんにちは。薬剤師のあおい(@yaku_medical)です!
この記事では私が学生の頃によく使っていたゴロや構造などの覚え方を紹介します!
今回は【生物】の範囲で使える脂溶性ビタミンのゴロと構造の覚え方をご紹介します!
- 脂溶性ビタミンのゴロ
- ビタミンDの構造の覚え方
- ビタミンAの構造の覚え方
- ビタミンKの構造の覚え方
- ビタミンEの構造の覚え方
- 関連問題
【薬剤師国家試験】脂溶性ビタミン構造まで含めて覚え方を解説します!(ゴロで覚える薬学)
脂溶性ビタミンのゴロ
脂溶性ビタミンはこれ D A K E☆
脂溶性ビタミンの特徴
- 水に溶けにくく、油(有機溶媒)に溶けやすい
- 水溶性ビタミンより蓄積されやすい→サプリメントなどによる過剰症に注意!
- ほとんど体内で合成できないので食物より摂取する必要がある
- 主に小腸で胆汁酸や脂質とともにミセルを形成し受動拡散で吸収され、リポタンパク質によリ細胞内に運搬される
- 基本構造はイソプレンの重合体であるテルペン
テルペンはイソプレンを構成単位とする炭化水素です。
ビタミンDの構造の覚え方
コレステロールと構造が似ているよ♪
生理作用
活性型ビタミンD3はカルシウムやリン酸の小腸での吸収を促進する
欠乏症:低カルシウム血症・くる病(小児)・骨軟化症(成人)
過剰症::高カルシウム血症
ビタミンAの構造の覚え方
ビタミンA(レチノール)はアルコール体なので-OHを探そう!
一般に、末端の官能基がアルコール体であるレチノールがビタミンAと呼ばれる。
生理作用
①レチノールとレチナールは11-cisーレチナールとなって眼の感光物質として働くロドプシンの原料となる。
※ロドプシンの合成にレチノイン酸は関与していない。
レチノール
(R:-CH2OH)
レチナール
(R:-CHO)
レチノイン酸
(R:-COOH)
②レチノイン酸は核内受容体に結合し、タンパク質の遺伝子発現を転写レベルで調節し、下記のような働きがある。
- 動物の成長や細胞の正常維持
- 細胞分化誘導
- 免疫機能に関与する
緑黄色野菜に存在するβーカロテンは、プロビタミンA(カロテノイド)の一種で、摂取後、ビタミンAに変換される。
また、レチノールの脂肪酸工ステルは、主として肝臓に蓄積される。
欠乏症:夜盲症
過剰症:催奇形性・頭蓋内圧亢進症など
ビタミンKの構造の覚え方
「K」が構造に隠れているよ♪
生理作用
①血液凝固因子のブロトロンビン合成に関与
②骨形成に関与するタンパク質であるオステオカルシン合成に関与
※ビタミンKは胎盤を通過できないため、腸内細菌叢が不完全な新生児はビタミンK欠乏性出血を起こすことがある。
欠乏症:血液凝固障害
過剰症:知られていない
ビタミンEの構造の覚え方
「E」が構造に隠れているよ♪
生理作用
ラジカル捕捉剤として、不飽和脂肪酸の酸化を防止する(抗酸化作用)。
欠乏症:筋萎縮、生殖機能障害
過剰症:比較的に体内に蓄積されにくく、通常の食事範囲内で過剰症はほとんど起こらない
関連問題
関連問題1
次の記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
1.ビタミンA誘導体の11-cis-レチナ-ルは、網膜における光受容体の機能に関与する。
2.ビタミンK2(メナキノン)は、植物の葉緑体で合成される。
3.レチノ-ルの脂肪酸工ステル体は、緑黄色野菜に多く含まれる。
4.ビタミンAの過剰症として、頭蓋内圧冗進症が知られている。
5.ビタミンKが欠乏すると血柱ができやすくなる。
1.〇
トランス型のレチナ-ルは不活性型であり、シス型の11-cis-レチナールになる必要がある。11-cis-レチナールは、網膜の光受容体に含まれる口ドプシンの原料となる。(89回問 39出題)
2.×
ビタミンK1(フィロキノン)は植物性で、主として葉緑体で産生されるが、ビタミンK2(メナキノン)は細菌類が合成し、納豆などに多く含まれている。(90回問 63出題)
3.×
レチノール(ビタミンA)は脂肪酸工ステルの形で、主として肝臓に蓄積される。動物性食品などに含まれているが、植物性食品には含まれていない。緑黄色野菜などにはビタミンAの前駆体であるプロビタミンAが含まれている。(90回問 63出題)
4.〇
ビタミンAの過剰症には、催奇形性・頭蓋内圧亢進症などがある。(91回 64出題)
5.×
ビタミンKが欠乏すると血液凝固障害が見られる。(91回 64出題)
答え.1,4
関連問題2
ビタミンKに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
1. 容易に胎盤を通過する。
2. ビタミンK依存性タンパク質のグルタミン酸残基をγ-力ルボキシ化する酵素の活性発現に必要である。
3. プロトロンビンの発現を、主として転写レベルで制御している。
4. ワルファリンは、ビタミンK再生経路を活性化する。
5. オステオ力ルシンは、ビタミンK依存性タンパク質である。
1.×
ビタミンKは胎盤を通過しにくい。(98回 121出題)
2.〇
ビタミンKは、プロトロンビン生合成における前駆体のグルタミン酸残基をγ-力ルボキシ化するビタミンK依存性力ルボキシラーゼの補酵素である。(98回 121出題)
3.×
核内受容体に結合することで遺伝子の発現を転写レベルで制御しているのは、レチノイン酸(ビタミンA)やビタミンDである。(98回 121出題)
4.×
血液凝固防止薬のワルファリンは、ビタミンK工ポキシド還元酵素を阻害することで、ビタミンK再生経路を阻害することで、血液凝固因子のプロ卜ロンビンなどの生合成を阻害する。ワルファリン服用患者にビタミンK製剤の併用は禁忌。(98回 121出題)
5.〇
骨形成に関与するオステオ力ルシンは、ビタミンK依存性カルポキシラーゼによって合成されるγ-力ルボキシグルタミン酸残基を有するビタミンK依存性タンパク質である。(98回 121出題)
答え.2,5
関連問題3
ビタミンと欠乏症の対応のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。
1.×
ビタミンA(レチノール)の構造式である。ビタミンAの欠乏症として夜盲症が知られている。
骨軟化症はビタミンDの欠乏症である。(96回 61出題)
2.×
ナイアシン(ニコチン酸)の構造式である。ナイアシンの欠乏症としてペラグラが知られている。ウェルニッケ脳症はビタミンB1(チアミン)の欠乏症である。(96回 61出題)
3.×
ビタミンB2(リボフラビン)の構造式である。ビタミンB2の欠乏症として口唇炎や口角炎が知られているが、腸内細菌により合成されるため欠乏症は起こりにくい。夜盲症はビタミンAの欠乏症である。(96回 61出題)
4.×
ビタミンD3(コレ力ルシフエロール)の構造式である。ビタミンD3の欠乏症として低カルシウム血症・くる病(小児)・骨軟化症(成人)が知られている。頭蓋内出血はビタミンKの欠乏症である。(96回 61出題)
5.〇
ビタミンC(L一アスコルビン酸)の構造式である。ビタミンCの欠乏症として壊血病が知られている。(96回 61出題)
答え.5
まとめ
今回は薬剤師国家試験対策として生物の範囲で使える脂溶性ビタミンのゴロと構造の覚え方をご紹介しました。
ゴロで覚える薬学シリーズでは、使いやすいゴロや覚え方をご紹介しています。
何か1つでも使えそうなゴロがありましたら幸いです。
薬剤師国家試験に向けて他のゴロが知りたい方はこちらで紹介しています♪
お気軽にどうぞ!