【第110回薬剤師国家試験】問110 漢方処方の作用と構成生薬の組合せ 解説

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第110回 問110
第110回 問110
理論問題|化学
漢方処方の作用と構成生薬の組合せ
問110(理論)
以下の漢方処方が示す作用と、それに主に関与する構成生薬との組合せのうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。
選択肢 処方名と作用 主に関与する構成生薬
1 六君子湯の補気作用 ニンジン
2 桂枝茯苓丸の駆瘀血作用 トウニン
3 加味逍遥散の補血作用 トウキ
4 葛根湯の発汗作用 シャクヤク
5 五苓散の利水作用 ブクリョウ
正解です!
解説で各処方の構成生薬と作用の対応を確認しましょう。
×
不正解です。正解は 4 です。
解説で各処方の構成生薬と作用の対応を確認しましょう。
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漢方処方における「証」や「作用」と、それに主として関与する構成生薬の対応関係を問う問題です。それぞれの生薬の代表的な薬能(補気・補血・駆瘀血・発汗・利水など)を押さえておくことがポイントです。

各生薬の代表的な薬能
・ニンジン(人参):補気薬の代表。六君子湯・四君子湯などに配合
・トウニン(桃仁):駆瘀血薬。桂枝茯苓丸・桃核承気湯などに配合
・トウキ(当帰):補血薬。加味逍遥散・当帰芍薬散などに配合
・マオウ(麻黄):発汗・解表薬。葛根湯・麻黄湯などに配合し、体表の邪を発汗により追い出す
・シャクヤク(芍薬):主に鎮痙・止痛(緩急止痛)作用。筋の異常な緊張をゆるめる方向にはたらき、発汗作用そのものには関与しない
・ブクリョウ(茯苓):利水薬。五苓散・苓桂朮甘湯などに配合
各選択肢の解説
◯ 1 六君子湯は四君子湯(ニンジン・ビャクジュツ・ブクリョウ・カンゾウ)に二陳湯を加えた処方で、ニンジンが補気作用の中心となる
◯ 2 桂枝茯苓丸は瘀血(血の滞り)を改善する代表処方で、トウニン(桃仁)が駆瘀血作用の中心となる
◯ 3 加味逍遥散は血虚・肝鬱に用いる処方で、トウキ(当帰)が補血作用の中心となる
× 4 葛根湯の発汗作用に主に関与するのはマオウ(麻黄)である。シャクヤクは葛根湯にも配合されているが、その薬能は主に鎮痙・止痛(筋のこわばりを緩める)であり、発汗作用には関与しない。よってこの組合せは誤り(=正解)
◯ 5 五苓散は水分代謝異常(浮腫・口渇・尿量減少など)を改善する処方で、ブクリョウ(茯苓)が利水作用の中心となる(他にタクシャ・ソウジュツ・チョレイなども利水に働く)
引っかけポイント:
・選択肢4:葛根湯にはシャクヤクも配合されているため「配合されている=作用の主体」と早合点しやすいが、発汗作用の主体はあくまでマオウであり、シャクヤクは鎮痙・止痛にはたらく生薬である点に注意する
・「主に関与する構成生薬」という設問文の意味を、単なる「配合生薬の一つ」ではなく「その作用の中心となる生薬」として読み取ることが重要
臨床メモ
あおい
薬剤師 あおい

葛根湯は「マオウ+カッコン」で発汗・解表、桂枝湯類は「ケイシ+シャクヤク」で調和という組み合わせのイメージを持っておくと、生薬の役割が整理しやすくなります。麻黄湯や葛根湯のように「マオウ」が入っている処方は発汗作用が強く、体力が充実した実証向けの処方が多いのも特徴です。

実務でも、高齢者や心疾患のある患者さんにマオウ含有製剤(葛根湯・麻黄湯など)を投与する際は、動悸・不眠・血圧上昇などの交感神経刺激作用に注意が必要です。

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