第111回
問43
必須問題|薬剤
炎症時に増加・プロプラノロールが強結合する血漿タンパク質
問43(必須)
炎症性疾患時に増加し、プロプラノロールが最も強く結合する血漿タンパク質はどれか。1つ選べ。
1
アルブミン
—
2
α–グロブリン
—
3
フィブリノーゲン
—
4
C反応性タンパク質
—
5
α1–酸性糖タンパク質
—
正解です!
解説でα₁-酸性糖タンパク質の特徴を確認しましょう。
不正解です。正解は 5 です。
解説でα₁-酸性糖タンパク質の特徴を確認しましょう。
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本問のキーワードは「炎症時に増加」と「塩基性薬物(プロプラノロール)が強く結合」の2点です。この両方を満たすのはα₁-酸性糖タンパク質(AAG:α₁-acid glycoprotein / オロソムコイド)です。
2大血漿タンパク質の比較(必須)
① アルブミン:血漿中最多(約60〜70%)。酸性薬物(ワルファリン・フロセミド・フェニトイン等)と強く結合。炎症・肝疾患・ネフローゼ症候群で低下
② α₁-酸性糖タンパク質(AAG):急性期反応タンパク(APR)の一つ。塩基性薬物(プロプラノロール・リドカイン・キニジン・イミプラミン等)と強く結合。炎症・手術・心筋梗塞・がんで増加
① アルブミン:血漿中最多(約60〜70%)。酸性薬物(ワルファリン・フロセミド・フェニトイン等)と強く結合。炎症・肝疾患・ネフローゼ症候群で低下
② α₁-酸性糖タンパク質(AAG):急性期反応タンパク(APR)の一つ。塩基性薬物(プロプラノロール・リドカイン・キニジン・イミプラミン等)と強く結合。炎症・手術・心筋梗塞・がんで増加
各選択肢の解説
× 1 アルブミン:炎症時に低下する(負の急性期タンパク)。酸性薬物と結合。プロプラノロール(塩基性)との親和性は低い
× 2 α-グロブリン:免疫グロブリン等を含む分画だが、プロプラノロールの主結合タンパクではない
× 3 フィブリノーゲン:凝固因子(第I因子)。炎症時に増加する急性期タンパクだが、薬物結合タンパクとしては重要でない
× 4 C反応性タンパク質(CRP):炎症マーカーの代表。炎症時に著増するが、薬物結合タンパクとしての役割は小さい
◯ 5 α₁-酸性糖タンパク質(AAG):炎症時に増加(正の急性期タンパク)。塩基性薬物の主要結合タンパク。プロプラノロールの結合率は約90%
× 1 アルブミン:炎症時に低下する(負の急性期タンパク)。酸性薬物と結合。プロプラノロール(塩基性)との親和性は低い
× 2 α-グロブリン:免疫グロブリン等を含む分画だが、プロプラノロールの主結合タンパクではない
× 3 フィブリノーゲン:凝固因子(第I因子)。炎症時に増加する急性期タンパクだが、薬物結合タンパクとしては重要でない
× 4 C反応性タンパク質(CRP):炎症マーカーの代表。炎症時に著増するが、薬物結合タンパクとしての役割は小さい
◯ 5 α₁-酸性糖タンパク質(AAG):炎症時に増加(正の急性期タンパク)。塩基性薬物の主要結合タンパク。プロプラノロールの結合率は約90%
| 血漿タンパク質 | 炎症時の変化 | 結合する薬物 | 代表的結合薬 |
| アルブミン | 低下(負のAPR) | 酸性薬物 | ワルファリン・フロセミド・フェニトイン |
| α₁-酸性糖タンパク質 ★ | 増加(正のAPR) | 塩基性薬物 | プロプラノロール・リドカイン・キニジン・イミプラミン |
引っかけポイント:
・選択肢1(アルブミン):最も量が多い血漿タンパクのため「アルブミンが全部やっている」と思いがちだが、炎症時に低下する点と酸性薬物と結合する点がポイント
・選択肢4(CRP):炎症マーカーとして有名で「炎症時に増加」は正しいが、薬物の結合タンパクとしては主要ではない
・プロプラノロールは塩基性薬物(β遮断薬)→ AAGと強く結合。「塩基性=AAG」を押さえる
・選択肢1(アルブミン):最も量が多い血漿タンパクのため「アルブミンが全部やっている」と思いがちだが、炎症時に低下する点と酸性薬物と結合する点がポイント
・選択肢4(CRP):炎症マーカーとして有名で「炎症時に増加」は正しいが、薬物の結合タンパクとしては主要ではない
・プロプラノロールは塩基性薬物(β遮断薬)→ AAGと強く結合。「塩基性=AAG」を押さえる
臨床メモ▼


薬剤師 あおい
炎症や術後の患者さんではAAGが増加するため、プロプラノロールやリドカインなどの塩基性薬物のタンパク結合率が上昇し、遊離型(活性型)の薬物濃度が低下します。その結果、同じ血中総濃度でも薬効が出にくくなることがあります。
逆に、術後回復期にAAGが正常化すると遊離型濃度が上昇し、副作用リスクが高まる場合もあります。TDMを行う際は「総濃度」だけでなく「遊離型濃度」や患者の炎症状態にも注意が必要で、薬剤師が患者背景を把握して評価する視点が重要です。










