第111回
問63
必須問題|病態・薬物治療
慢性甲状腺炎(橋本病)の検査所見
問63(必須)
慢性甲状腺炎の検査所見で陽性になるのはどれか。1つ選べ。
1
抗ペルオキシダーゼ抗体
—
2
抗甲状腺刺激ホルモン(TSH)受容体抗体
—
3
抗グルタミン酸脱炭酸酵素(GAD)抗体
—
4
抗アセチルコリン受容体抗体
—
5
抗環状シトルリン化ペプチド(CCP)抗体
—
正解です!
解説で橋本病の自己抗体と自己免疫疾患の対応を確認しましょう。
不正解です。正解は 1 です。
解説で橋本病の自己抗体と自己免疫疾患の対応を確認しましょう。
解説を見る▼
慢性甲状腺炎(橋本病)は自己免疫性甲状腺炎であり、抗甲状腺ペルオキシダーゼ抗体(抗TPO抗体)と抗チログロブリン抗体(抗TG抗体)が陽性になります。特に抗TPO抗体は感度が高く診断的価値が高い検査です。
慢性甲状腺炎(橋本病)の特徴
・自己免疫性甲状腺炎(Ⅲ型アレルギー)
・40〜50歳代の女性に好発
・甲状腺が慢性的に破壊され→甲状腺機能低下症
・検査所見:抗TPO抗体(抗ペルオキシダーゼ抗体)陽性・抗TG抗体(抗チログロブリン抗体)陽性
・血液:FT3↓・FT4↓・TSH↑(甲状腺機能低下のため下垂体からTSH放出↑)
・治療:甲状腺ホルモン補充療法(レボチロキシン)
・自己免疫性甲状腺炎(Ⅲ型アレルギー)
・40〜50歳代の女性に好発
・甲状腺が慢性的に破壊され→甲状腺機能低下症
・検査所見:抗TPO抗体(抗ペルオキシダーゼ抗体)陽性・抗TG抗体(抗チログロブリン抗体)陽性
・血液:FT3↓・FT4↓・TSH↑(甲状腺機能低下のため下垂体からTSH放出↑)
・治療:甲状腺ホルモン補充療法(レボチロキシン)
各選択肢の解説
◯ 1 抗ペルオキシダーゼ抗体(抗TPO抗体):慢性甲状腺炎(橋本病)で陽性。甲状腺ペルオキシダーゼに対する自己抗体
× 2 抗TSH受容体抗体(TRAb):バセドウ病(グレーブス病)で陽性。TSH受容体を持続的に刺激→甲状腺機能亢進症
× 3 抗GAD抗体:1型糖尿病で陽性。膵島のGAD(グルタミン酸脱炭酸酵素)に対する自己抗体
× 4 抗アセチルコリン受容体抗体:重症筋無力症(MG)で陽性。nAChRに対する自己抗体
× 5 抗CCP抗体:関節リウマチ(RA)で陽性。早期診断に有用な高特異度マーカー
◯ 1 抗ペルオキシダーゼ抗体(抗TPO抗体):慢性甲状腺炎(橋本病)で陽性。甲状腺ペルオキシダーゼに対する自己抗体
× 2 抗TSH受容体抗体(TRAb):バセドウ病(グレーブス病)で陽性。TSH受容体を持続的に刺激→甲状腺機能亢進症
× 3 抗GAD抗体:1型糖尿病で陽性。膵島のGAD(グルタミン酸脱炭酸酵素)に対する自己抗体
× 4 抗アセチルコリン受容体抗体:重症筋無力症(MG)で陽性。nAChRに対する自己抗体
× 5 抗CCP抗体:関節リウマチ(RA)で陽性。早期診断に有用な高特異度マーカー
| 自己抗体 | 関連疾患 |
| 抗TPO抗体(抗ペルオキシダーゼ抗体)★ 抗TG抗体(抗チログロブリン抗体) |
慢性甲状腺炎(橋本病):甲状腺機能低下症 |
| 抗TSH受容体抗体(TRAb・TSAb) | バセドウ病:甲状腺機能亢進症 |
| 抗GAD抗体・抗IA-2抗体 | 1型糖尿病:膵島β細胞破壊 |
| 抗アセチルコリン受容体抗体 | 重症筋無力症:骨格筋の脱力 |
| 抗CCP抗体・リウマトイド因子(RF) | 関節リウマチ:関節滑膜の炎症 |
引っかけポイント:
・選択肢2(抗TSH受容体抗体):甲状腺疾患の自己抗体として非常に有名だが、これはバセドウ病のマーカー。橋本病と混同しないこと
・橋本病:抗TPO抗体・抗TG抗体(甲状腺を破壊→機能低下)
・バセドウ病:抗TSH受容体抗体(甲状腺を刺激→機能亢進)
・選択肢2(抗TSH受容体抗体):甲状腺疾患の自己抗体として非常に有名だが、これはバセドウ病のマーカー。橋本病と混同しないこと
・橋本病:抗TPO抗体・抗TG抗体(甲状腺を破壊→機能低下)
・バセドウ病:抗TSH受容体抗体(甲状腺を刺激→機能亢進)
臨床メモ▼


薬剤師 あおい
橋本病はとても身近な疾患で、特に女性に多く、甲状腺機能低下症として甲状腺ホルモン補充療法(レボチロキシン・チラーヂンS®)が行われます。服薬指導では「空腹時(朝食30分前)に服用」「カルシウム・鉄剤・制酸薬との同時服用を避ける(吸収↓)」の2点が特に重要です。
また、妊娠中の甲状腺機能低下は胎児の神経発達に影響するため、妊娠中の橋本病患者さんはより厳密な甲状腺ホルモン管理が必要です。妊娠がわかった段階で早めに内分泌科や産科と連携することが大切です。










