第111回
問39
必須問題|薬理
D-Ala-D-Alaと結合し細胞壁合成を阻害する抗菌薬
問39(必須)
ペプチドグリカン前駆体のペンタペプチド末端のD-アラニル-D-アラニンと結合して、細菌の細胞壁合成を阻害するのはどれか。1つ選べ。
1
アミカシン
—
2
セファゾリン
—
3
バンコマイシン
—
4
メロペネム
—
5
ミカファンギン
—
正解です!
解説で各抗菌薬の作用機序の違いを確認しましょう。
不正解です。正解は 3 です。
解説で各抗菌薬の作用機序の違いを確認しましょう。
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本問のキーワードは「D-アラニル-D-アラニン(D-Ala-D-Ala)と結合」です。この結合部位を標的とするのはバンコマイシン(グリコペプチド系抗菌薬)のみです。
バンコマイシンの作用機序
① ペプチドグリカン前駆体(リピドII)のペンタペプチド末端のD-Ala-D-Alaに直接結合
② トランスグリコシラーゼ・トランスペプチダーゼの基質(リピドII)へのアクセスを立体的に阻害
③ 細胞壁ペプチドグリカンの架橋形成が阻害 → 細胞壁合成不全 → 溶菌・殺菌
※ β-ラクタム系(セファゾリン・メロペネム等)はPBP(トランスペプチダーゼ)に共有結合して阻害する点がバンコマイシンと異なる
① ペプチドグリカン前駆体(リピドII)のペンタペプチド末端のD-Ala-D-Alaに直接結合
② トランスグリコシラーゼ・トランスペプチダーゼの基質(リピドII)へのアクセスを立体的に阻害
③ 細胞壁ペプチドグリカンの架橋形成が阻害 → 細胞壁合成不全 → 溶菌・殺菌
※ β-ラクタム系(セファゾリン・メロペネム等)はPBP(トランスペプチダーゼ)に共有結合して阻害する点がバンコマイシンと異なる
各選択肢の作用機序
× 1 アミカシン:アミノグリコシド系。30Sリボソームサブユニットに結合 → タンパク質合成阻害
× 2 セファゾリン:セフェム系(β-ラクタム)。PBP(トランスペプチダーゼ)に共有結合 → 架橋形成阻害
◯ 3 バンコマイシン:グリコペプチド系。D-Ala-D-Alaに結合 → リピドII利用を阻害 → 細胞壁合成阻害
× 4 メロペネム:カルバペネム系(β-ラクタム)。PBPに共有結合 → 架橋形成阻害。広域スペクトル
× 5 ミカファンギン:キャンディン系抗真菌薬。β-1,3-グルカン合成酵素阻害 → 真菌細胞壁合成阻害(細菌には無効)
× 1 アミカシン:アミノグリコシド系。30Sリボソームサブユニットに結合 → タンパク質合成阻害
× 2 セファゾリン:セフェム系(β-ラクタム)。PBP(トランスペプチダーゼ)に共有結合 → 架橋形成阻害
◯ 3 バンコマイシン:グリコペプチド系。D-Ala-D-Alaに結合 → リピドII利用を阻害 → 細胞壁合成阻害
× 4 メロペネム:カルバペネム系(β-ラクタム)。PBPに共有結合 → 架橋形成阻害。広域スペクトル
× 5 ミカファンギン:キャンディン系抗真菌薬。β-1,3-グルカン合成酵素阻害 → 真菌細胞壁合成阻害(細菌には無効)
| 薬剤名 | 系統 | 作用標的 | 作用機序 |
| アミカシン | アミノグリコシド | 30Sリボソーム | タンパク質合成阻害 |
| セファゾリン | セフェム(β-ラクタム) | PBP(トランスペプチダーゼ) | 細胞壁架橋形成阻害 |
| バンコマイシン ★ | グリコペプチド | D-Ala-D-Ala | リピドII利用阻害→細胞壁合成阻害 |
| メロペネム | カルバペネム(β-ラクタム) | PBP | 細胞壁架橋形成阻害 |
| ミカファンギン | キャンディン(抗真菌) | β-1,3-グルカン合成酵素 | 真菌細胞壁合成阻害 |
引っかけポイント:
・選択肢2(セファゾリン)・4(メロペネム)も細胞壁合成を阻害するが、結合部位はPBP(β-ラクタム環とトランスペプチダーゼの共有結合)であり、D-Ala-D-Alaではない
・選択肢5(ミカファンギン)は「細胞壁合成阻害」という点で紛らわしいが、抗真菌薬であり細菌には無効。標的もβ-1,3-グルカン合成酵素と全く異なる
・選択肢2(セファゾリン)・4(メロペネム)も細胞壁合成を阻害するが、結合部位はPBP(β-ラクタム環とトランスペプチダーゼの共有結合)であり、D-Ala-D-Alaではない
・選択肢5(ミカファンギン)は「細胞壁合成阻害」という点で紛らわしいが、抗真菌薬であり細菌には無効。標的もβ-1,3-グルカン合成酵素と全く異なる
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臨床メモ▼


薬剤師 あおい
バンコマイシンはMRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)感染症の治療薬として非常に重要な抗菌薬です。β-ラクタム耐性菌にも有効なのは、PBPではなくD-Ala-D-Alaという全く別の部位を標的にしているからです。
腎毒性・耳毒性に注意が必要で、TDM(治療薬物モニタリング)が必須の薬です。現在はトラフ値よりもAUC/MIC(24時間AUC)400〜600を目標とするAUCガイデッド管理が推奨されています。投与量・投与間隔を腎機能に合わせて細かく調整する必要があるため、薬剤師の関与が特に重要な薬剤のひとつです。










