第111回
問40
必須問題|薬理
HER2結合により乳がん細胞増殖を抑制する薬
問40(必須)
HER2(ヒト上皮増殖因子受容体2型)と結合することにより、乳がん細胞の増殖を抑制するのはどれか。1つ選べ。
1
エキセメスタン
—
2
トラスツズマブ
—
3
ベバシズマブ
—
4
ダウノルビシン
—
5
ブスルファン
—
正解です!
解説でトラスツズマブの作用機序を確認しましょう。
不正解です。正解は 2 です。
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トラスツズマブ(商品名:ハーセプチン®)は、HER2(HER2/neu・ErbB2)の細胞外ドメインに結合するヒト化抗HER2モノクローナル抗体です。HER2過剰発現乳がん・胃がんの治療薬として広く用いられています。
トラスツズマブの作用機序
① HER2の細胞外ドメインIVに結合 → HER2のホモ/ヘテロ二量体形成を阻害
② HER2の細胞外ドメインの切断(シェディング)を抑制
③ 下流シグナル(PI3K/Akt・MAPK経路)の活性化を抑制 → 細胞増殖抑制・アポトーシス促進
④ ADCC(抗体依存性細胞傷害)による免疫細胞の腫瘍攻撃を誘導
① HER2の細胞外ドメインIVに結合 → HER2のホモ/ヘテロ二量体形成を阻害
② HER2の細胞外ドメインの切断(シェディング)を抑制
③ 下流シグナル(PI3K/Akt・MAPK経路)の活性化を抑制 → 細胞増殖抑制・アポトーシス促進
④ ADCC(抗体依存性細胞傷害)による免疫細胞の腫瘍攻撃を誘導
各選択肢の作用機序
× 1 エキセメスタン:アロマターゼ阻害薬(ステロイド骨格・不可逆的)。閉経後ER陽性乳がん。HER2に結合しない
◯ 2 トラスツズマブ:抗HER2モノクローナル抗体。HER2に直接結合して乳がん細胞の増殖を抑制
× 3 ベバシズマブ:抗VEGFモノクローナル抗体。血管新生阻害。結合標的はVEGF-A(HER2ではない)
× 4 ダウノルビシン:アントラサイクリン系抗がん薬。DNAインターカレーション・トポイソメラーゼII阻害。HER2非依存的な細胞毒性薬
× 5 ブスルファン:アルキル化薬。DNAのアルキル化によりDNA鎖間架橋形成。白血病・造血幹細胞移植前処置に使用
× 1 エキセメスタン:アロマターゼ阻害薬(ステロイド骨格・不可逆的)。閉経後ER陽性乳がん。HER2に結合しない
◯ 2 トラスツズマブ:抗HER2モノクローナル抗体。HER2に直接結合して乳がん細胞の増殖を抑制
× 3 ベバシズマブ:抗VEGFモノクローナル抗体。血管新生阻害。結合標的はVEGF-A(HER2ではない)
× 4 ダウノルビシン:アントラサイクリン系抗がん薬。DNAインターカレーション・トポイソメラーゼII阻害。HER2非依存的な細胞毒性薬
× 5 ブスルファン:アルキル化薬。DNAのアルキル化によりDNA鎖間架橋形成。白血病・造血幹細胞移植前処置に使用
| 薬剤名 | 標的 | 作用・分類 |
| エキセメスタン | アロマターゼ | アロマターゼ阻害(不可逆)→ エストロゲン産生↓。閉経後ER陽性乳がん |
| トラスツズマブ ★ | HER2 | 抗HER2抗体。HER2過剰発現乳がん・胃がんに適応 |
| ベバシズマブ | VEGF-A | 抗VEGF抗体→ 腫瘍血管新生阻害。大腸がん・肺がん等 |
| ダウノルビシン | DNA/Topo II | アントラサイクリン系。細胞毒性薬(白血病) |
| ブスルファン | DNA | アルキル化薬。DNA鎖間架橋形成。造血幹細胞移植前処置 |
引っかけポイント:
・選択肢3(ベバシズマブ)も「〜マブ」の抗体薬で乳がんに使用実績があるが、標的はVEGF-A(血管内皮増殖因子)であってHER2ではない
・「HER2結合」という条件を見落とさないこと。抗体薬の中でも標的(HER2 vs VEGF vs PD-1等)を区別して記憶することが重要
・選択肢3(ベバシズマブ)も「〜マブ」の抗体薬で乳がんに使用実績があるが、標的はVEGF-A(血管内皮増殖因子)であってHER2ではない
・「HER2結合」という条件を見落とさないこと。抗体薬の中でも標的(HER2 vs VEGF vs PD-1等)を区別して記憶することが重要
臨床メモ▼


薬剤師 あおい
トラスツズマブ(ハーセプチン®)はHER2陽性乳がんの治療において画期的な薬です。HER2陽性かどうかはコンパニオン診断(免疫組織化学染色+FISH法)で確認してから使用します。
重要な副作用として心毒性(心機能低下・うっ血性心不全)があり、アントラサイクリン系(ダウノルビシン・ドキソルビシン等)との同時併用は原則禁忌です。投与前・投与中の定期的な心機能評価(心エコー)が必要で、薬剤師も心毒性のモニタリングに積極的に関わることが求められます。










