第111回
問54
必須問題|薬剤
直腸からの吸収改善に用いられる吸収促進剤
問54(必須)
薬物の直腸からの吸収改善を図るために用いられている吸収促進剤はどれか。1つ選べ。
1
アルギン酸ナトリウム
—
2
安息香酸ナトリウム
—
3
カプリン酸ナトリウム
—
4
チオグリコール酸
—
5
プロカイン塩酸塩
—
正解です!
解説でカプリン酸ナトリウムの吸収促進機序を確認しましょう。
不正解です。正解は 3 です。
解説でカプリン酸ナトリウムの吸収促進機序を確認しましょう。
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カプリン酸ナトリウム(デカン酸ナトリウム)は、直腸粘膜の吸収促進剤として坐剤に配合される中鎖脂肪酸塩です。直腸粘膜の細胞間隙を一時的に拡大させることで、薬物の傍細胞経路(パラセルラー経路)での吸収を促進します。
カプリン酸ナトリウムの吸収促進機序
① 中鎖脂肪酸塩(C10)として直腸粘膜に作用
② 上皮細胞間のタイトジャンクション(密着結合)を一時的に開放
③ 傍細胞経路(細胞間隙経路)が拡大 → 水溶性・高分子薬物の吸収が促進
④ 効果は一時的・可逆的で、粘膜傷害は最小限
代表的な使用例:インスリン・カルシトニン等のペプチド性薬物の坐剤への配合
① 中鎖脂肪酸塩(C10)として直腸粘膜に作用
② 上皮細胞間のタイトジャンクション(密着結合)を一時的に開放
③ 傍細胞経路(細胞間隙経路)が拡大 → 水溶性・高分子薬物の吸収が促進
④ 効果は一時的・可逆的で、粘膜傷害は最小限
代表的な使用例:インスリン・カルシトニン等のペプチド性薬物の坐剤への配合
各選択肢の解説
× 1 アルギン酸ナトリウム:増粘剤・崩壊剤・基剤として使用。吸収促進剤ではない
× 2 安息香酸ナトリウム:防腐剤・保存剤。吸収促進剤ではない
◯ 3 カプリン酸ナトリウム:中鎖脂肪酸塩。直腸粘膜の吸収促進剤。タイトジャンクションを開放して傍細胞経路を促進
× 4 チオグリコール酸:還元剤(パーマ液の成分)。製剤添加剤ではあるが直腸吸収促進剤ではない
× 5 プロカイン塩酸塩:局所麻酔薬。坐剤に配合されることはあるが(疼痛緩和目的)、吸収促進剤ではない
× 1 アルギン酸ナトリウム:増粘剤・崩壊剤・基剤として使用。吸収促進剤ではない
× 2 安息香酸ナトリウム:防腐剤・保存剤。吸収促進剤ではない
◯ 3 カプリン酸ナトリウム:中鎖脂肪酸塩。直腸粘膜の吸収促進剤。タイトジャンクションを開放して傍細胞経路を促進
× 4 チオグリコール酸:還元剤(パーマ液の成分)。製剤添加剤ではあるが直腸吸収促進剤ではない
× 5 プロカイン塩酸塩:局所麻酔薬。坐剤に配合されることはあるが(疼痛緩和目的)、吸収促進剤ではない
| 直腸吸収促進剤 | 機序・特徴 |
| カプリン酸ナトリウム ★ (中鎖脂肪酸塩・C10) |
タイトジャンクション開放→傍細胞経路促進。可逆的・粘膜傷害少 |
| サリチル酸ナトリウム | 膜流動性変化→経細胞経路促進。古典的吸収促進剤 |
| ポリオキシエチレン系界面活性剤 | 膜脂質との相互作用→透過性増大。粘膜傷害のリスクあり |
| エデト酸(EDTA) | Ca²⁺キレート→タイトジャンクション開放。傍細胞経路促進 |
引っかけポイント:
・選択肢1(アルギン酸ナトリウム):「ナトリウム塩」で「直腸製剤(坐剤の基剤)」に使われるが、役割は増粘・崩壊剤であり吸収促進剤ではない
・選択肢5(プロカイン塩酸塩):坐剤に含まれる成分として知っていると混同しやすいが、あくまで局所麻酔(疼痛緩和)目的であり吸収促進剤ではない
・「カプリン酸=中鎖脂肪酸(C10)=直腸吸収促進」のセットで記憶する
・選択肢1(アルギン酸ナトリウム):「ナトリウム塩」で「直腸製剤(坐剤の基剤)」に使われるが、役割は増粘・崩壊剤であり吸収促進剤ではない
・選択肢5(プロカイン塩酸塩):坐剤に含まれる成分として知っていると混同しやすいが、あくまで局所麻酔(疼痛緩和)目的であり吸収促進剤ではない
・「カプリン酸=中鎖脂肪酸(C10)=直腸吸収促進」のセットで記憶する
臨床メモ▼


薬剤師 あおい
直腸投与(坐剤)は、嚥下困難な患者・嘔吐中の患者・意識障害のある患者でも投与できる重要な投与経路です。また、直腸下部からの吸収は下直腸静脈→下大静脈→全身循環と流れ、肝臓を経由しない(初回通過効果を受けない)ため、高い初回通過効果を持つ薬物に有利です。
カプリン酸ナトリウムのような吸収促進剤を使うことで、通常は吸収されにくいペプチド性薬物(インスリン等)の直腸からの吸収も向上させることができます。ただし直腸上部は上直腸静脈→門脈→肝臓を経由するため、挿入位置によって初回通過効果の影響が変わる点も重要です。










