【第110回薬剤師国家試験】問345 ベバシズマブによる血栓塞栓症:早期発見のための患者指導 解説

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第110回 問345
第110回 問345
実践問題|実務
ベバシズマブによる血栓塞栓症:早期発見のための患者指導
問345 問題文
62歳女性。卵巣がんにて、パクリタキセル、カルボプラチン、ベバシズマブを用いた外来化学療法を施行している。ベバシズマブの重大な副作用である血栓塞栓症の早期発見のために、患者に伝えておくべき自覚症状として適切なのはどれか。2つ選べ。
1 口渇 —
2 息苦しさ —
3 黒色便 —
4 胸の痛み —
5 味覚障害 —
◯
正解です!
正答:2, 4
×
不正解です
正答:2, 4
解説を見る(問345) ▼

ベバシズマブは抗VEGF(血管内皮増殖因子)抗体薬であり、腫瘍血管新生を阻害する一方で、正常な血管内皮の維持にも影響を及ぼすため、動脈血栓塞栓症・静脈血栓塞栓症(深部静脈血栓症・肺塞栓症など)が重大な副作用として知られています。血栓が肺動脈を閉塞する肺塞栓症を起こすと、呼吸困難や胸痛などの症状が急激に出現するため、患者にはこれらの症状が現れたら直ちに医療機関へ連絡するよう指導することが重要です。

選択肢2(正解):「息苦しさ」(呼吸困難)は、血栓が肺動脈を閉塞する肺塞栓症の代表的な自覚症状です。血栓塞栓症の早期発見のために患者に伝えておくべき症状として適切です。
選択肢4(正解):「胸の痛み」も肺塞栓症や心筋梗塞など血栓塞栓症に伴う代表的な症状であり、突然の胸痛が現れた場合は血栓塞栓症を疑って速やかに受診するよう伝えるべき症状です。
引っかけポイント:
選択肢1:口渇は血栓塞栓症の症状ではなく、抗コリン作用のある薬剤の副作用や高血糖・脱水など別の病態でみられる症状です。
選択肢3:黒色便(メレナ)は消化管出血を示唆する症状であり、ベバシズマブの重大な副作用の一つである消化管穿孔・出血の徴候として重要ですが、本問で問われている「血栓塞栓症」の症状ではありません。
選択肢5:味覚障害は、血栓塞栓症とは関連がなく、シスプラチンなど他の抗がん薬でみられやすい副作用です。
あおい先生
あおい先生の臨床メモ
ベバシズマブの重大な副作用は「血栓塞栓症」「消化管穿孔・出血」「高血圧」「創傷治癒遅延」など複数あります。それぞれの副作用でどんな自覚症状が対応するのかをセットで覚えておくと、本問のように「同じ薬でも、どの副作用について聞かれているか」を問う問題に強くなります。血栓塞栓症=息苦しさ・胸の痛み・急な手足の腫れ、消化管穿孔=激しい腹痛・黒色便、とセットで整理しておきましょう。
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