【第110回薬剤師国家試験】問46 線形1-コンパートメントモデルでtmaxを短縮する要因 解説

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第111回 問46
第111回 問46
必須問題|薬剤
線形1-コンパートメントモデルでtmaxを短縮する要因
問46(必須)
体内動態が線形1-コンパートメントモデルに従う薬物を経口投与した場合、最高血中濃度到達時間が短縮する要因はどれか。1つ選べ。
1
投与量の減少
2
吸収率の上昇
3
分布容積の増大
4
吸収速度定数の上昇
5
消失速度定数の低下
正解です!
解説でtmaxの式と各パラメータの影響を確認しましょう。
×
不正解です。正解は 4 です。
解説でtmaxの式と各パラメータの影響を確認しましょう。
解説を見る

線形1-コンパートメントモデルにおける最高血中濃度到達時間(tmaxの式は以下の通りです:

tmaxの公式
tmax = ln(ka / ke) / (ka − ke)
ka:吸収速度定数、ke:消失速度定数(ka > ke が前提)

この式から、tmaxkaとkeのみに依存することがわかります。
・ka↑ → 分子・分母ともに変化するが、全体としてtmax短縮
・ke↑ → tmax短縮(keが大きいほど吸収と消失のバランスが早く達成される)
各選択肢の解説
× 1 投与量の減少:tmaxの式にFやDは含まれない。投与量はCmaxに影響するがtmaxには影響しない
× 2 吸収率(バイオアベイラビリティF)の上昇:Fはtmaxの式に含まれない。CmaxやAUCには影響するがtmaxは変化しない
× 3 分布容積(Vd)の増大:Vdもtmaxの式に含まれない。Cmaxに影響するがtmaxには影響しない
◯ 4 吸収速度定数(ka)の上昇:ka↑ → tmaxが短縮する。「吸収が速い=早くピークに達する」と直感的にも理解できる
× 5 消失速度定数(ke)の低下:ke↓ → tmax延長する(消失が遅いほどピーク到達が遅くなる)
パラメータ変化 tmaxへの影響 理由
投与量(D)↑↓ 変化なし tmax式にDは含まれない
吸収率(F)↑↓ 変化なし tmax式にFは含まれない
分布容積(Vd)↑↓ 変化なし tmax式にVdは含まれない
吸収速度定数(ka)↑ ★ 短縮 吸収が速いほど早くピーク到達
消失速度定数(ke)↓ 延長 消失が遅いほどピーク到達が遅くなる
引っかけポイント:
選択肢2(吸収率F↑):Fが上がるとCmaxは上がるがtmaxは変わらない。「吸収率」と「吸収速度」を混同しないこと
選択肢5(ke↓):「消失が遅い=薬が体内に長く残る」のは正しいが、tmax短縮ではなく延長する。ke↑のときに短縮と覚える
・tmaxに影響するのはkaとkeのみ。D・F・Vdは無関係
臨床メモ
あおい
薬剤師 あおい

tmax(最高血中濃度到達時間)は薬の「速効性」の目安です。食前と食後で吸収速度が変わる薬では、食事の影響でtmaxが変化することがあります。例えば食後に吸収が遅くなる(ka↓)薬では、食後服用でtmaxが延長します。

頭痛薬など即効性が求められる薬では、tmaxが短い製剤(口腔内崩壊錠・散剤・細粒剤等)が選ばれることがあります。「早く効かせたいなら溶けやすい剤形を」と患者さんへの説明にも活かせる知識です。

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