【第110回薬剤師国家試験】問85 透析患者に販売を避けるべきOTC成分 解説

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第110回 問85
第110回 問85
必須問題|実務
透析患者に販売を避けるべきOTC成分
問85(必須)
透析療法を受けている患者への販売を避けるべき一般用医薬品の成分はどれか。1つ選べ。
1
ロペラミド塩酸塩
2
テプレノン
3
乾燥酵母
4
トリメブチンマレイン酸塩
5
スクラルファート
正解です!
解説で透析患者への注意成分を確認しましょう。
×
不正解です。正解は 5 です。
解説で透析患者への注意成分を確認しましょう。
解説を見る

スクラルファートは、アルミニウムを含有する胃粘膜保護薬です。腎機能が正常であればアルミニウムは尿中に排泄されますが、透析患者(無尿・腎機能廃絶)ではアルミニウムが体内に蓄積し、アルミニウム脳症・アルミニウム骨症等の重篤な副作用を引き起こすおそれがあるため、使用を避けるべきとされています。

透析患者とアルミニウム含有製剤
・スクラルファートはアルミニウム含有の胃粘膜保護薬で、腎排泄型のためアルミニウムが体内に蓄積しやすい
・透析患者ではアルミニウムの除去が困難で、脳症(言語障害・けいれん等)・骨症・貧血等のアルミニウム中毒症状を引き起こすリスクがある
・同様にアルミニウムを含む水酸化アルミニウムゲル等の制酸薬も、透析患者・腎機能低下患者では注意が必要
各選択肢の解説
× 1 ロペラミド塩酸塩:止瀉薬。腎機能への特別な蓄積リスクは低く、透析患者に特有の禁忌ではない
× 2 テプレノン:胃粘膜保護薬(非アルミニウム系)。透析患者への特有の禁忌はない
× 3 乾燥酵母:消化補助成分。透析患者への特有のリスクはない
× 4 トリメブチンマレイン酸塩:消化管運動調整薬。透析患者への特有の禁忌はない
◯ 5 スクラルファート:アルミニウム含有製剤。透析患者ではアルミニウム蓄積により脳症等を起こすリスクがあり、使用を避けるべき
成分 透析患者への注意点
ロペラミド塩酸塩 特有の禁忌なし
テプレノン 特有の禁忌なし
乾燥酵母 特有の禁忌なし
トリメブチンマレイン酸塩 特有の禁忌なし
スクラルファート ★ アルミニウム蓄積による脳症等のリスク
引っかけポイント:
選択肢2(テプレノン):同じく胃粘膜保護薬として並ぶため紛らわしいが、テプレノンはアルミニウムを含まない(非金属系胃粘膜保護薬)ため透析患者への特有の禁忌はない
・アルミニウム含有製剤はスクラルファート・水酸化アルミニウムゲル・合成ヒドロタルサイト等があり、いずれも透析患者・重篤な腎機能障害患者では蓄積リスクに注意が必要
・「胃の薬=安全」というイメージにとらわれず、成分に金属(アルミニウム・マグネシウム等)が含まれるかどうかを確認する視点を持つこと
臨床メモ
あおい
薬剤師 あおい

OTC販売の現場では、患者さんが「透析を受けている」と自ら申告してくれるとは限りません。市販の胃薬を求める高齢の患者さんには、腎臓の病気で通院・透析を受けていないかをさりげなく確認する習慣が、重大な副作用の未然防止につながります。

アルミニウム脳症は蓄積性の副作用で、初期には気づきにくく、言語障害・けいれん・認知機能低下などの形で進行してから発見されることもあります。マグネシウム含有製剤(酸化マグネシウム等)も腎排泄型のため、腎機能低下患者では高マグネシウム血症のリスクがある点も併せて押さえておきましょう。

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