第111回
問135
理論問題|衛生
電離放射線及び放射性同位体
問135 電離放射線及び放射性同位体に関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。
1
³²P及び⁹⁰Srは、甲状腺に集積しやすい。
—
2
大気中に存在する²²²Rnによる生体影響は、ほとんど外部被曝によるものである。
—
3
神経組織、筋肉組織及び皮膚のうち、電離放射線による感受性が最も高いのは、神経組織である。
—
4
晩発性障害は、低放射線量や長期間被曝した場合や顕著な急性障害が見られなかった場合でも発症することがある。
—
5
食品中の放射性物質については、放射性セシウムの基準値が設定されている。
—
正解です!
放射性同位体の臓器集積と放射線障害の特徴を正確に把握できています。
不正解です。正解は 4 と 5 です。
解説で各放射性同位体の集積臓器と放射線障害の分類を確認しましょう。
解説を見る
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主な放射性同位体と集積臓器
・¹³¹I・¹²⁵I:甲状腺(ヨウ素として取り込まれる)
・⁹⁰Sr・²²⁶Ra:骨(骨髄)(カルシウムと類似した挙動)
・³²P:骨・核酸(リンとして核酸・骨に集積)
・¹³⁷Cs:筋肉・全身(カリウムと類似した挙動)
・²²²Rn:気体、吸入による内部被曝が主(肺がんリスク)
・¹³¹I・¹²⁵I:甲状腺(ヨウ素として取り込まれる)
・⁹⁰Sr・²²⁶Ra:骨(骨髄)(カルシウムと類似した挙動)
・³²P:骨・核酸(リンとして核酸・骨に集積)
・¹³⁷Cs:筋肉・全身(カリウムと類似した挙動)
・²²²Rn:気体、吸入による内部被曝が主(肺がんリスク)
【各選択肢の解説】
| 選択肢 | 記述 | 判定・理由 |
|---|---|---|
| 1 | ³²P・⁹⁰Sr:甲状腺に集積しやすい | × 甲状腺に集積するのは¹³¹I(放射性ヨウ素)。³²Pはリンとして核酸・骨に、⁹⁰Srはカルシウムと類似した挙動で骨(骨髄)に集積する |
| 2 | ²²²Rn:生体影響はほとんど外部被曝 | × ラドン(²²²Rn)は気体であり、吸入による内部被曝が主な暴露経路。崩壊生成物(ポロニウム等)が肺に沈着してα線を放出し、肺がんリスクを高める。外部被曝ではなく内部被曝が主 |
| 3 | 神経組織・筋肉・皮膚のうち放射線感受性が最も高いのは神経組織 | × 放射線感受性はBergonié-Tribondeau の法則により「分裂が活発・将来の分裂回数が多い・形態・機能が未分化な細胞ほど高い」とされる。神経組織・筋肉組織は高度に分化した組織で感受性は低い。3者の中では皮膚(基底細胞)が最も感受性が高い |
| 4 ★ | 晩発性障害:低線量・長期被曝・急性障害なしでも発症 | ◯ 晩発性障害(白内障・悪性腫瘍・白血病・寿命短縮など)は被曝から数年〜数十年後に発症する。低線量の慢性被曝でも発症し、急性放射線症候群(急性障害)が認められなかった場合でも起こりうる点が重要 |
| 5 ★ | 食品中の放射性物質:放射性セシウムの基準値が設定されている | ◯ 東日本大震災後、食品衛生法に基づき食品中の放射性物質の基準値が設定された。放射性セシウム(¹³⁴Cs+¹³⁷Cs)の基準値は一般食品100 Bq/kg、乳児用食品・牛乳50 Bq/kg、飲料水10 Bq/kgと定められている |
⚠️ 引っかけポイント(選択肢順):
・選択肢1:甲状腺集積は¹³¹I。³²Pは骨・核酸、⁹⁰Srは骨(骨髄)
・選択肢2:²²²Rnは気体→内部被曝(吸入)が主。外部被曝ではない
・選択肢3:放射線感受性は神経・筋肉<皮膚(基底細胞)。Bergonié-Tribondeauの法則(分裂活発・未分化ほど高感受性)
・選択肢1:甲状腺集積は¹³¹I。³²Pは骨・核酸、⁹⁰Srは骨(骨髄)
・選択肢2:²²²Rnは気体→内部被曝(吸入)が主。外部被曝ではない
・選択肢3:放射線感受性は神経・筋肉<皮膚(基底細胞)。Bergonié-Tribondeauの法則(分裂活発・未分化ほど高感受性)
臨床メモ
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薬剤師 あおい
放射性ヨウ素(¹³¹I)は甲状腺がん治療・診断にも使われます。アブレーション療法では意図的に甲状腺組織を破壊するため、投与後の患者さんへの指導(隔離期間・家族への被曝配慮・唾液腺炎の予防など)は薬剤師の重要な役割です。
食品の放射性セシウム基準値(一般食品100 Bq/kg)は福島第一原発事故後に設定されました。患者さんから「食品の放射線は大丈夫?」と聞かれることもあります。基準値の根拠(年間追加被曝線量1 mSv以下に設定)を理解しておくと、根拠ある説明ができます。










