【第110回薬剤師国家試験】問79 ヒト乾燥硬膜による感染症(生物由来製品感染等被害救済制度) 解説

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第110回 問79
第110回 問79
必須問題|法規・制度・倫理
ヒト乾燥硬膜による感染症(生物由来製品感染等被害救済制度)
問79(必須)
汚染されたヒト乾燥硬膜の使用により感染した疾患であって、生物由来製品感染等被害救済制度の創設の契機となったのはどれか。1つ選べ。
1
成人T細胞白血病
2
クロイツフェルト・ヤコブ病
3
トキソプラズマ症
4
大腿四頭筋短縮症
5
後天性免疫不全症候群
正解です!
解説で薬害事件と各種救済制度の関係を確認しましょう。
×
不正解です。正解は 2 です。
解説で薬害事件と各種救済制度の関係を確認しましょう。
解説を見る

ドイツ製のヒト乾燥硬膜製品(ライオデュラ®)が異常プリオンに汚染されており、これを脳外科手術等で移植された患者がクロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)を発症する事件が起きました(いわゆる薬害ヤコブ病事件)。この事件が契機となり、血液製剤等の生物由来製品による感染被害を救済する「生物由来製品感染等被害救済制度」が2004年に創設されました。

クロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)と薬害ヤコブ病事件
・原因:異常プリオンタンパク質に汚染されたヒト乾燥硬膜(ライオデュラ)を用いた脳外科手術
・症状:急速に進行する認知症、運動失調、ミオクローヌス等を呈し、予後不良
・この事件を契機に、生物由来製品感染等被害救済制度(医薬品副作用被害救済制度と並ぶ制度)が創設された
各選択肢の解説
× 1 成人T細胞白血病(ATL):HTLV-1(ヒトT細胞白血病ウイルス)の母乳感染等が主な原因。ヒト乾燥硬膜とは無関係
◯ 2 クロイツフェルト・ヤコブ病:汚染されたヒト乾燥硬膜による感染事件が、生物由来製品感染等被害救済制度創設の契機
× 3 トキソプラズマ症:原虫感染症で、主に生肉摂取や猫の糞便を介して感染。ヒト乾燥硬膜とは無関係
× 4 大腿四頭筋短縮症:乳幼児期の筋肉注射(解熱剤等)が原因とされる筋原性疾患。薬害の一つだが、注射剤による筋肉障害でヒト乾燥硬膜とは無関係
× 5 後天性免疫不全症候群(AIDS):血液凝固因子製剤(非加熱血液製剤)によるHIV感染が有名(薬害エイズ事件)だが、これはヒト乾燥硬膜ではなく血液製剤が原因
疾患 原因となった生物由来製品等
クロイツフェルト・ヤコブ病 ★ ヒト乾燥硬膜(ライオデュラ)
後天性免疫不全症候群(AIDS) 非加熱血液凝固因子製剤(薬害エイズ事件)
大腿四頭筋短縮症 解熱剤等の筋肉注射
引っかけポイント:
選択肢5(後天性免疫不全症候群):同じく大きな薬害事件(薬害エイズ事件)として有名だが、原因は血液凝固因子製剤であり、ヒト乾燥硬膜ではない点で誤りやすい
選択肢4(大腿四頭筋短縮症):日本の薬害史における重要事件の一つだが、原因は筋肉注射であり、生物由来製品感染等被害救済制度とは直接関係しない
・「ヒト乾燥硬膜→クロイツフェルト・ヤコブ病→生物由来製品感染等被害救済制度」という一連の流れをセットで覚えておくこと
臨床メモ
あおい
薬剤師 あおい

生物由来製品感染等被害救済制度は、医薬品副作用被害救済制度と同様にPMDAが窓口となっており、生物由来製品(血液製剤、ワクチン、ヒト・動物由来の原料を用いた医薬品等)を適正に使用したにもかかわらず、感染症にかかったことによる健康被害を救済する制度です。

薬害の歴史は薬剤師にとって重要な学びです。サリドマイド事件、スモン事件、薬害エイズ事件、薬害ヤコブ病事件、薬害肝炎事件など、それぞれの事件がどの法制度・救済制度の創設につながったかを時系列で整理しておくと、法規・制度・倫理の科目で得点しやすくなります。

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