第110回
問28
必須問題|薬理
ピロカルピンが毛様体筋を収縮させる機序
問28(薬理)
ピロカルピンが毛様体筋を収縮させる機序はどれか。1つ選べ。
1
アドレナリン α1 受容体遮断
—
2
アドレナリン α2 受容体刺激
—
3
アドレナリン β2 受容体遮断
—
4
アセチルコリン M2 受容体遮断
—
5
アセチルコリン M3 受容体刺激
—
正解です!
ピロカルピンが M3 受容体を直接刺激して毛様体筋を収縮させることを正しく理解しています。
不正解です。正解は 5 です。
解説でピロカルピンの作用機序を確認しましょう。
解説を見る▼
【問28】ピロカルピンが毛様体筋を収縮させる機序
ピロカルピンは直接型ムスカリン受容体(M3)刺激薬。
毛様体筋・虹彩括約筋の M3 受容体を直接刺激し、毛様体筋の収縮(近見調節)および縮瞳(虹彩括約筋収縮)をもたらす。
緑内障治療薬として、縮瞳→隅角開大→房水流出促進→眼圧低下の経路で使用される。
毛様体筋・虹彩括約筋の M3 受容体を直接刺激し、毛様体筋の収縮(近見調節)および縮瞳(虹彩括約筋収縮)をもたらす。
緑内障治療薬として、縮瞳→隅角開大→房水流出促進→眼圧低下の経路で使用される。
| 番号 | 機序 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | アドレナリン α1 受容体遮断 | α1 遮断は虹彩散大筋の弛緩(縮瞳)をもたらすが、毛様体筋収縮の機序ではない。フェントラミンなどが α1 遮断薬に相当する。 |
| 2 | アドレナリン α2 受容体刺激 | α2 刺激は交感神経終末からのノルアドレナリン遊離を抑制する前シナプス作用などに関わるが、毛様体筋収縮の機序ではない。 |
| 3 | アドレナリン β2 受容体遮断 | β2 受容体遮断は毛様体筋収縮とは無関係。β 遮断薬(チモロールなど)は房水産生を抑制して眼圧を下げる別の機序を持つ。 |
| 4 | アセチルコリン M2 受容体遮断 | M2 受容体は主に心筋に分布し、心拍数低下などを担う。毛様体筋の収縮には関与しない。また「遮断」ではなく「刺激」が副交感神経様作用をもたらす。 |
| 5 ★ | アセチルコリン M3 受容体刺激 | ピロカルピンの正答機序。毛様体筋・虹彩括約筋の M3 受容体を直接刺激し、毛様体筋収縮(近見調節)と縮瞳を引き起こす。縮瞳により隅角が開大して房水流出が促進され、眼圧が低下する。緑内障点眼薬として用いられる。 |
・選択肢4(M2 遮断)は2つの誤りを含む:受容体サブタイプが M3 でなく M2 であること、かつ「遮断」ではなく「刺激」が副交感神経様作用をもたらす点。
・選択肢1(α1 遮断):縮瞳は生じるが、毛様体筋収縮(調節)の機序ではない。ピロカルピンの主作用は副交感神経様(コリン作動性)である点を押さえること。
・選択肢1(α1 遮断):縮瞳は生じるが、毛様体筋収縮(調節)の機序ではない。ピロカルピンの主作用は副交感神経様(コリン作動性)である点を押さえること。
【構造で納得!】なぜ毛様体筋が「収縮」すると「眼圧が下がる」のか?
眼球内の房水は「シュレム管」という排水溝から外へ流れ出ていきます。ピロカルピンによって毛様体筋がギュッと収縮すると、その動きに引っ張られる形でシュレム管(隅角)の隙間が物理的に押し広げられます。排水溝の口が開くため房水が流出しやすくなり、眼圧が低下します。
筋肉の「収縮」が排水路の「開放」につながるという目の立体構造をイメージしておくと混乱しなくなります。
眼球内の房水は「シュレム管」という排水溝から外へ流れ出ていきます。ピロカルピンによって毛様体筋がギュッと収縮すると、その動きに引っ張られる形でシュレム管(隅角)の隙間が物理的に押し広げられます。排水溝の口が開くため房水が流出しやすくなり、眼圧が低下します。
筋肉の「収縮」が排水路の「開放」につながるという目の立体構造をイメージしておくと混乱しなくなります。
臨床メモ▼


薬剤師 あおい
ピロカルピンはM3 直接刺激薬で、眼科では緑内障の点眼薬として、また全身では口腔乾燥(シェーグレン症候群など)の治療薬(サラジェン®)として使われます。
眼科での作用の流れを整理しておきましょう。縮瞳(虹彩括約筋収縮)→ 隅角開大 → 房水流出促進 → 眼圧低下というルートです。対照的に β 遮断薬(チモロールなど)は「房水産生を抑制」して眼圧を下げるため、機序が異なります。
| 薬剤 | 受容体 | 眼圧低下の機序 |
|---|---|---|
| ピロカルピン | M3 刺激 | 縮瞳→隅角開大→房水流出↑ |
| チモロール | β1・β2 遮断 | 毛様体上皮からの房水産生↓ |
| ラタノプロスト | FP 受容体刺激 | ぶどう膜強膜流出路からの房水流出↑ |
| ブリモニジン | α2 刺激 | 房水産生↓+ぶどう膜強膜流出↑ |
逆に、薬理の試験で「緑内障に禁忌」としておなじみのアトロピン(抗コリン薬)は、ピロカルピンと全く逆の動きをします。M3 受容体を遮断するため虹彩括約筋が弛緩して散瞳し、広がった虹彩が隅角(排水溝)を塞いでしまいます(閉塞隅角緑内障の悪化)。
「M3 刺激 = 縮瞳 = 排水溝を開いて眼圧↓(緑内障治療)」「M遮断 = 散瞳 = 排水溝を塞いで眼圧↑(緑内障に禁忌)」——この表裏一体のセットで覚えておきましょう!










