【第111回薬剤師国家試験】問129 食品添加物A〜Eの機能又は用途 解説

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第111回 問129
第111回 問129
理論問題|衛生
食品添加物A〜Eの機能又は用途
問129 食品添加物A〜Eの機能又は用途に関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ
食品添加物A〜Eの構造式
1
Aは、甘味料として用いられている。
2
Bは、油脂等の酸化防止剤として用いられている。
3
Cは、柑橘類の防かび剤として用いられている。
4
Dは、水溶性ビタミンの一種で、着色料として用いられている。
5
Eは、保存料として用いられている。
正解です!
食品添加物の構造と用途を正確に把握できています。
×
不正解です。正解は 2 と 3 です。
解説で各食品添加物の同定と用途を確認しましょう。
解説を見る
食品添加物A〜Eの同定
A:ベンゼン環+COOH → 安息香酸(保存料)
B:フェノール環+tert-ブチル基×2+メトキシ基 → BHA(ブチルヒドロキシアニソール)(酸化防止剤)
C:ベンゾイミダゾール+チアゾール環 → チアベンダゾール(TBZ)(防かび剤)
D:没食子酸プロピル(3,4,5-トリヒドロキシ安息香酸プロピルエステル) → 没食子酸プロピル(酸化防止剤)
E:アスパルテーム(アスパラギン酸+フェニルアラニンメチルエステルのジペプチド) → アスパルテーム(甘味料)

【各選択肢の解説】

選択肢記述判定・理由
1 A(安息香酸):甘味料 × 安息香酸はベンゼン環にカルボキシ基(COOH)が結合した最も単純な芳香族カルボン酸。食品添加物としての用途は保存料(清涼飲料水・シロップなど)。甘味料ではない
2 ★ B(BHA):油脂等の酸化防止剤 BHA(ブチルヒドロキシアニソール)はフェノール系の合成酸化防止剤。油脂・バター・即席麺などの酸化防止に使用される。同じフェノール系酸化防止剤のBHT(ジブチルヒドロキシトルエン)と混同しやすいが、BHAはメトキシ基(-OCH₃)を持つ点が特徴
3 ★ C(チアベンダゾール):柑橘類の防かび剤 チアベンダゾール(TBZ)はベンゾイミダゾール系の防かび剤。輸入柑橘類(オレンジ・レモン・グレープフルーツ)の表面に使用され、カビの発生を防ぐ。果皮を食べる場合や果皮を料理に使う場合は注意が必要。同じ防かび剤にイマザリル・OPP(オルトフェニルフェノール)などがある
4 D(没食子酸プロピル):水溶性ビタミン→着色料 × 没食子酸プロピルは3つの水酸基を持つ安息香酸誘導体のプロピルエステル。食品添加物としての用途は酸化防止剤(油脂・バターなど)。水溶性ビタミンでも着色料でもない
5 E(アスパルテーム):保存料 × アスパルテームはアスパラギン酸とフェニルアラニンメチルエステルからなるジペプチド系甘味料。砂糖の約200倍の甘味を持ち、低カロリー食品・飲料に広く使用される。フェニルケトン尿症患者には禁忌(フェニルアラニンを含むため)。保存料ではない
⚠️ 引っかけポイント(選択肢順):
選択肢1:A(安息香酸)は「甘味料」ではなく保存料
選択肢4:D(没食子酸プロピル)は「着色料」ではなく酸化防止剤。「水溶性ビタミン」も誤り
選択肢5:E(アスパルテーム)は「保存料」ではなく甘味料。選択肢1と5でAとEの用途が入れ替わっている
臨床メモ
あおい
薬剤師 あおい

アスパルテームフェニルケトン尿症(PKU)の患者さんには禁忌です。PKUはフェニルアラニン水酸化酵素の欠損によりフェニルアラニンが蓄積する先天性代謝異常で、アスパルテーム含有食品・医薬品の添付文書には必ず注意書きがあります。薬局でサプリや医薬品を扱う際に確認が必要です。

輸入柑橘類の防かび剤(TBZ・イマザリル・OPP)は果皮に残留するため、マーマレードや柑橘の皮を料理に使う患者さんから相談を受けることがあります。「皮を使わないか、国産品を選ぶ」という実践的な情報提供ができると信頼度が上がります。

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