【第110回薬剤師国家試験】問168 ステロイド性抗炎症薬の構造 解説

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第110回 問168
第110回 問168
理論問題|薬理
ステロイド性抗炎症薬の構造
問168(理論)
鉱質コルチコイド作用が弱く、糖質コルチコイド作用が最も強いステロイド性抗炎症薬はどれか。1つ選べ。
1
選択肢1の構造式
2
選択肢2の構造式
3
選択肢3の構造式
4
選択肢4の構造式
5
選択肢5の構造式
正解です!
解説で各ステロイド性抗炎症薬の構造的特徴を確認しましょう。
×
不正解です。正解は 1 です。
解説で各ステロイド性抗炎症薬の構造的特徴を確認しましょう。
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副腎皮質ステロイド性抗炎症薬は、基本骨格(プレグナン骨格)への置換基の違いによって糖質コルチコイド作用と鉱質コルチコイド作用のバランスが大きく変化します。構造上の特徴(Δ1,4-ジエン、9α-フッ素、16位置換基、6位置換基の有無)を正確に読み取ることがポイントです。

各構造の同定と特徴
選択肢1=デキサメタゾン:9α-フッ素、11β-水酸基、16位メチル基、Δ1,4-ジエンを持つ。16位のメチル基が鉱質コルチコイド作用をほぼ消失させる一方、9α-フッ素とΔ1,4-ジエンが糖質コルチコイド作用を大きく増強するため、鉱質コルチコイド作用が最も弱く、糖質コルチコイド作用が最も強い
選択肢2=トリアムシノロン:9α-フッ素、11β-水酸基、16α-水酸基、Δ1,4-ジエンを持つ。16位が水酸基(メチル基ではない)のため、デキサメタゾンほどの強力な糖質コルチコイド作用増強効果は得られない
選択肢3=フルドロコルチゾン:9α-フッ素、11β-水酸基を持つがΔ4-エン(二重結合1つ)のみで16位置換基がない。9α-フッ素の効果がそのまま強い鉱質コルチコイド作用として現れ、原発性副腎皮質機能低下症の補充療法に用いられる
選択肢4=メチルプレドニゾロン:フッ素を持たず、6α-メチル基とΔ1,4-ジエンを持つ。フッ素がないため鉱質コルチコイド作用・糖質コルチコイド作用ともにプレドニゾロンよりやや強い程度
選択肢5=プレドニゾロン:フッ素も16位・6位の置換基も持たない基本的なΔ1,4-ジエン構造。糖質コルチコイド作用はヒドロコルチゾンの約4倍だが、軽度の鉱質コルチコイド作用も併せ持つ
構造活性相関のポイント
9α-フッ素:糖質コルチコイド作用・鉱質コルチコイド作用の両方を増強する
16位のメチル基/水酸基:鉱質コルチコイド作用を選択的に減弱させる(9α-フッ素による鉱質コルチコイド増強効果を打ち消す)
Δ1,4-ジエン構造:糖質コルチコイド作用を増強する
・9α-フッ素と16位置換基を両方持つデキサメタゾンは、フッ素による強力な糖質コルチコイド増強効果を得つつ、16位メチル基によって鉱質コルチコイド作用が打ち消されるため、「鉱質コルチコイド作用最弱・糖質コルチコイド作用最強」という組み合わせが実現する
引っかけポイント:
・選択肢2(トリアムシノロン)と選択肢1(デキサメタゾン)はどちらも9α-フッ素とΔ1,4-ジエンを持つため似て見えるが、16位が「メチル基」か「水酸基」かで糖質コルチコイド作用の強さに差がある
・選択肢3(フルドロコルチゾン)は9α-フッ素を持つため一見糖質コルチコイド作用が強そうに見えるが、16位置換基がなくΔ4-エンのみのため、実際には強力な鉱質コルチコイド作用を示す薬剤である点に注意する
臨床メモ
あおい
薬剤師 あおい

デキサメタゾンは鉱質コルチコイド作用がほとんどないため、浮腫やナトリウム貯留を避けたい患者さんに適しています。一方でフルドロコルチゾンは逆に鉱質コルチコイド作用を期待して使う薬剤で、副腎皮質機能低下症(アジソン病)の補充療法に用いられる点が対照的です。

臨床では、ステロイドの力価換算(デキサメタゾン0.75mg=プレドニゾロン5mg=ヒドロコルチゾン20mgなど)を理解しておくと、切り替え時の投与設計に役立ちます。長期投与患者さんには、易感染性・満月様顔貌・骨粗鬆症などの副作用モニタリングと服薬指導も忘れずに行いましょう。

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