【第110回薬剤師国家試験】問184 アトピー性皮膚炎の病態と治療 解説

  • URLをコピーしました!
第110回 問184
第110回 問184
理論問題|病態・薬物治療
アトピー性皮膚炎の病態と治療
問184(理論)
アトピー性皮膚炎の病態と治療に関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。
1
乳幼児期には、体幹や四肢に乾燥や皮疹が発症したのちに頭部や顔面に拡大する。
2
掻痒、左右対称性の湿疹及び慢性・反復性経過を特徴とする。
3
血液検査では、血中IgA値が高値を示す。
4
外用療法の第一選択は、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)である。
5
タクロリムス軟膏を使用する場合は、塗布部位の灼熱感やほてり、感染症に注意する。
正解です!
解説でアトピー性皮膚炎の病態・治療の要点を確認しましょう。
×
不正解です。正解は 2、5 です。
解説でアトピー性皮膚炎の病態・治療の要点を確認しましょう。
解説を見る

アトピー性皮膚炎は、掻痒を伴う慢性・反復性の湿疹性皮膚疾患であり、年齢による皮疹の分布の変化、特徴的な検査所見、外用薬による段階的治療を正確に押さえることがポイントです。

アトピー性皮膚炎の病態・治療のポイント
・皮疹の分布は年齢によって変化し、乳幼児期はまず頭部・顔面に発症し、その後体幹・四肢へと拡大していく(本問の記述は分布の順序が逆)
・診断基準の中核は「掻痒」「左右対称性の湿疹」「慢性・反復性の経過」の3点である
・血液検査では、Th2優位の免疫応答を反映して血中IgE値が高値を示すことが多い(IgAではない)
・外用療法の第一選択はステロイド外用薬(重症度に応じたランク選択)であり、NSAIDsは用いられない
タクロリムス軟膏はカルシニューリン阻害薬で、ステロイド外用薬に代わる・併用する治療選択肢となるが、塗布初期に灼熱感・ほてり感を生じやすく、また免疫抑制作用により皮膚感染症のリスクにも注意が必要である
各選択肢の解説
× 1 乳幼児期は頭部・顔面から発症し、その後体幹・四肢へ拡大するのが典型的な経過であり、本問の記述は分布の順序が逆
◯ 2 掻痒・左右対称性の湿疹・慢性反復性経過を特徴とするという記述は、アトピー性皮膚炎の診断基準の中核であり正しい
× 3 血液検査で高値を示すのは血中IgE値であり、IgAではない
× 4 外用療法の第一選択はステロイド外用薬であり、NSAIDsではない
◯ 5 タクロリムス軟膏使用時に灼熱感・ほてり・感染症に注意が必要であるという記述は正しい
引っかけポイント:
・選択肢1:乳幼児期の皮疹分布の広がり方(顔面・頭部→体幹・四肢)が意図的に逆に記述されている
・選択肢3:アレルギー性疾患で上昇する免疫グロブリンのサブタイプが「IgE」から「IgA」にすり替えられている
・選択肢4:外用療法の第一選択薬(ステロイド外用薬)が、無関係なNSAIDsにすり替えられている
臨床メモ
あおい
薬剤師 あおい

タクロリムス軟膏は、皮膚萎縮などのステロイド特有の副作用が起こりにくい一方、初回使用時のヒリヒリ感(灼熱感)で自己中断してしまう患者さんが多い薬剤です。「使い続けると徐々に感じにくくなることが多い」ことをあらかじめ説明しておくと、アドヒアランス向上につながります。

また、光線過敏の報告もあるため、日中に塗布する場合は紫外線対策(日焼け止めの併用や外出時の工夫)についても説明しておくとよいでしょう。重症例ではデュピルマブなどの生物学的製剤も選択肢となり、従来の外用療法で効果不十分な患者さんへの新たな治療選択肢として広がっています。

第110回 薬剤師国家試験 解説トップへ

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
目次